第2話 ー自己紹介ー



 その後、ファミレスに入って。

私達は窓際の、4人掛けの席に案内された。



席に着いてすぐ、

彼は、リュックから、ルーズリーフを

袋ごと出し。


それに、ボールペンでさらさら書いて、


「はい。」と、渡してきた。



そっと、受け取って。


見ると、

そこには、誓約文が書かれており。



その下には、署名が書かれていて。




「俺、凪っていいます。」



彼は、その名前を名乗って、

軽く頭を下げてきた。




「……宮間です。」



私も、

礼儀として、ぼそっと返した。




「宮間さん、なんか食べます?

 ドリンクバーとか…」



穏やかに話しかけてくる彼から、

目線を、外して。



「…すみません。

 食欲ないので。」



低く答えると。



「…そうですか…。

 それなのにファミレス誘って

 すいません。

 じゃあ俺、2品頼みます。」



彼は、少しばつが悪そうに言って。


それから、店員を呼び、

オーダーした。







 そして、

店員が、厨房の方へ向かい。


少し、して。




「…それで……



  相談室では、

  どういう話をしてたんですか?」




 彼は、

少し、落ち着いた声になって、

話を切り出した。




私は、


目線を、

テーブルの上の、彼の手に、

落としたまま。




「……私、



 …鬱病なので、

 その相談をしていたんです。」




ぼそりと、答えた。



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