雨が透きとほつて
雨が透きとほつて
わたくしの服を
しとしと
おもくしてゐる
愚痴を云つて
わたくしのこゝろが
どこまでも どこまでも
すり切れてゆく
あなたのこゝろも
ほろほろと零れてゆく
(わたくしは ほう と息をはいて)
きりさめが
ことばを濡らして
わたくしの
ことばを濡らして
あなたの影が
見えなくなつた
微笑んでゐるやうな
そんな気がした
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