第三話 神楽衣装と手芸

 放課後となり、琢磨は撫子の部活動探しの手伝いをしていた。

 琢磨は一応神楽同好会に所属しており、部長でもある。ただ、今年できた新しい部活のために撫子が持っている部活動が書いてあるプリントにはまだ書かれていなかった。


「何の部活が良いですか?」

「う~ん、手芸部とか文芸部とかじゃないか、女子がだいたい所属している部活ってそんな感じがするな」

「運動部とかはどうなんですかね」

「俺に聞くなよ、運動部には所属していないから分からん」

「え、師匠はこの高校に入って一年は経過してますよね」

「あぁ、そうだな、もう二年だからな」

「だったらどの部活が雰囲気が良いとかおすすめとかがあるんじゃないですかね」

「う~ん。女子バレーは……いや、なかったことにしよう、女子バスケは……団結力はあるがエンジョイ系の集まりという固定概念が俺にあっておすすめはせん。女子テニスと女子陸上はなんか楽しそうな雰囲気はあったかな」

「ほんとうに自分に関係のないことは無関心ですね」

「関わって良い事があるなら関わるぞ。基本的に面倒事はごめんだ」

「それはそうですけど、商売しているからこそコミュニケーション能力ってのは必要だと思うんですよ」

「そんなもんか?」

「そんなもんですよ!」


 そう会話しながら手芸部の部室前に着いた。

 ドアを開けると一人物静かに縫っている人がいた。他の人はワイワイとぬいぐるみを縫っていた。

 琢磨は物静かに縫っている人に目が映ってしまった。撫子も琢磨と同じだった。

 物静かに縫っている女子高校生、竹内 琴だった。そして縫っているものは神楽衣装で使われる龍だったのだ。

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