第十三章 神隠し

13-1 ふたりごと

「なんなんだ、あいつ……」


「ごめん。ミクちゃんも、今いっぱいいっぱいなんだ」


「つか、結局なにしに来たんだ?」


「ミクちゃんはね、ほんとのことが知りたいんだって。ほんとのことを知って、安心したいんだって」


「ったく……分けわかんねぇし……まぁ良いけどよ」


「……あんたのこと、苦手だけど。でもそういうヒトの良いとこ、嫌いじゃないよ」


「はぁ。つか……あいつ、最近ますますおかしいし。結局、あの不審者たちのことだって、よく分かんなかったし……。警察とかに言った方が、良いんじゃねぇか?」


「解決は、ミクちゃんにしかできない。ほんとのことを知って、思い出して。例えそれが……ミクちゃんの望んだ『安心』に繋がらなくても」


「……大丈夫なんかな、あいつ」


「仕方ないの。どんなに泣いても、傷ついて辛くても。扉を開けられるのは美邑ちゃん自身だけなんだから――仕方ないの」

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