憤激・改《リ・ボルケーノ》
「それは、未完成品のハズです」
コデロは心配そうな意見を述べるが、リュートには確信がある。
『いや、試す! 【
ベルトから呼び出した大剣は、現在あるアイテムを集結させて作ってある。
コーデリアが、形を変えてもいいと言ったので、ヒーロー然とした形にした。
光を纏う剣、「光子剣」と聞いていたので、文字通り光る剣として作成してある。
実戦は初めてだ。
コウガは、飛び跳ねるようにジャンプする。怪人の眉間に、大型の剣【
「ムダだお! このネバネバ攻撃で、物理攻撃なんぞ防いでくれるおっ!」
『それはどうかな? トゥア!』
拳を握って、コウガは柄頭を殴る。その勢いで、剣は眉間に深く突き刺さった。
「ぬおお!」
『トゥア!』
ジャンプしたコウガは、大きく身体をひねる。
全身のエネルギーを全て右足に込めて、渾身の蹴りを放つ。
『【リ・ボルケーノ・キック】!』
魔力を炎のエネルギーに変換し、柄頭に蹴りを撃ち込んだ。
一瞬で、炎の力を剣に流し込む。
より深く、剣が怪人に突き刺さった。
「ごおおお!? デヴィランバンザイ!」
粘液まみれの身体を焼かれ、さらに剣で弱点にダメージを与えられた怪人は、爆発する。
「コウガ、無事か?」
ダニーが駆けつける。
『強いな。コウガの腕力すら通さない相手か』
人間を喰らうことで、よりパワーが増していたようだ。
「あっちいいいい!」
大ヤケドを負っているとはいえ、完全勝利とはいかなかった。
この剣は、まだ未完成のようである。
『まだ生きているのか!』
「いえ、情報を聞き出しましょう」
コデロは冷静だ。弱っている敵相手に何をすべきか、自身の考えを持っている。
「こここ、殺さないでくれお」
ドロドロの状態で、ナメクジ怪人が命乞いをする。
「それは、あなた次第です。知っていることを話しなさい。たとえば、ロデントス伯爵の悪行、その裏付けなど」
「話す、話すお! ロデントスは、大陸を走り回って、魔力の高い女たちをあつめているお! 散々イタズラしたあと、食っちまうって噂だお」
「奴のアジトは?」
「屋敷に秘密の地下室がある、おっ⁉」
何者かが、怪人に向けて火球をぶつけた。
業火に焼かれ、ナメクジ怪人は今度こそ絶命する。
向かいの屋根に人影がある。コウガに似ているようだが? 影が逃げていく。
『新手か。おやっさんとアテムは、ミレーヌと店に隠れていろ! オレはヤツを追う!』
ミレーヌを託して、コウガは影の逃げた方角へ。
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