北極星

(アメブロのブログネタ「今日は南極の日」のテーマに沿って投稿したものです)



  北極はNORTH POLE 南極はSOUTH POLE で、POLAR STARが北極星。これは地軸と一直線上に位置する恒星であるかららしいのは周知ですね?だから磁石の北の先にはいつも北極星がある。逆に言うと北極星があるのが地球上ではどこでも北方向になる。いわば空の灯台である。「あなた、私のポラリスになってくれる?」というドラマがあったが、これはつまりワタシが五里霧中に道に迷ったとき、動かない道標石mile stoneのような、確かな道しるべのような存在にアナタ、なってくれますか?ということを最上級にロマンチックに表現しているわけだね。星菫派、という言葉があって、星とか花とかを夢見ている少女趣味の人を少し揶揄して言う感じですが、そういう宝塚みたいなキラキラした感じも僕は嫌いではない。装飾語とかを極力省いた簡潔な文章が普通推奨されるけれども、遊び心がない文章というと例えば三面記事とかが代表的で、味もそっけもない。文学とか文芸という場合はやはり言語による「芸術」だから、お見合いに行く女性と同じで、骨格だけではなくて、綺麗に華やかに着飾っていないと意味がない。実用的でない文章というとポエムですか?というかもしれないが、詩というのは破調で、主観的で、感情的に過ぎる、というところもあって、読者を選ぶ。つまり趣味とか感性が合わない場合は「よくわからん。おもろない」ということになる。また詩を翻訳しても、だから普通はほぼ原典の感動は失われている。言葉なのに「伝わらない」のではしょうがないわけである。星の数ほどいろいろな種類の星があるように、文芸だの芸術だのにも無数のバリエーションがあると思いますが、自分や人類の唯一無二のポラリスとなりうるような、(気の遠くなるほどに誇大妄想的ですが?)すこぶる美しい、光り輝いている、そうして全く明晰で理性的で100%意図、美点が伝わる、そういう国境や時代を超える普遍性を具えた文芸作品の書き手を、及ばずながら目指していきたいと思う。北斗七星を頼りに暗くて寒々しい現実の空を眺めるよりも、北極星をポエティックに昇華した光彩陸離たる文章の描くイメージのほうがきっと美しい。逆説めいているが、人間の精神や知性の尊さを如実に物語る崇高な秘密がそこにはオカルトされていると思うのです。


(2020.12.14)

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