でてこない私のことば
言葉がでてこない。いや、正しくは自分の頭の中にあるものを言葉にできない、自分の外に出せない。いつも頭の中では色々考えているのに、いやかんがえてはいないな、ただ無意識に心の奥底から湧き出で来る。考えずとも言葉がとまらない。頭の中はいつも騒々しい。物静かな奴だなんて大嘘だ。私はいつもうるさいくらいに一人自問自答している。頭が痛い。この文字の羅列は誰にも届かない。でも吐き出さないと、容量はとっくにオーバーしている。頭が痛いから本当は動きたくないし、パソコンのブルーライトも浴びたくはない。紙に書くのもいいけどそれじゃ届かない、誰かに届かない。自己満足したいからだと思っていたのに。私の言葉は私の中にとどめておけば自分だけの最高傑作だったのに。他人からの評価を気にしている時点ですでに私は私を信じてやれていない。ごめん、私。矛盾ばかりで。
言葉がでてこない。そもそも本当に私は言葉を自ら発しているのだろうか?
私の言葉ってなんだ。オリジナルの言葉なんて私は持っていない。そうだ、
私はいつも誰かの言葉を発している。自分以外の、自分の外から言葉をとりいれているんだ。いつかかけた慰めの言葉、それはどこかの誰かさんが言っていたいい感じの言葉を言ってやったんだ、多分。自分は外から吸収したもので成り立っているわけであって、自分は自分を主成分としていない。この肉体は空っぽの箱であって中身は
小さなレコーダーが入っている。見たり聞いたりしたものはそこに記録される。
自分は自分なんかじゃありません。わたしは他人です。今、あなたに話しかけているのは私の形をした誰かさんです。自分を持っていないのに自己紹介はできませんわ。
言葉がでてこない。言葉は形にできないこの思いを表現するための手段だとしたら、私は今言葉を使えていない。意味を持たない言葉は一体何になるのだろう。
声に出せば音になる、音楽にはならない。文字におこせば色は付く、絵にはならない。使えない、伝わらない。難しいな、言葉ってのは。
もうでてこないや。
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