第2ステージパート9
いつものように暴走している二見美月であるが、普段とは様子が違った。
若林さんに聞くと
「三好さんを見ると暴走しだした。」
「あの三好君は偽物だ。」
「忌々しい雌のにおいがする。」
と言って暴走したとのこと。
三好を見てみると、制服には違和感はない。
若林さんに聞いてみても変な様子はなかったという。
とりあえず二見美月が暴走する理由があるとすれば、例のごとく入れ替わっているのだろう。
「三好ひばり、三好はどうした。」
女子を名前だけで呼ぶのは恥ずかしいので、フルネームで呼ぶ。
「海に行ったけど。」
若林さんは状況を把握できていないようだ。
紹介することとする。
「三好ひばり、別の高校に通っている三好の妹だ。」
「そうですか。じゃあなんであのあやせちゃんといつもいる人は三好さんの妹さんを見て暴走するのですか。」
「あれは三好のストーカーだから一緒の屋根にいる三好の妹のことが死ぬほど嫌いなんだよ。」
まあ、妹は結婚できないんだけどね。
「こんな調子で中学校時代暴走するもんだから、別の学校になった。」
「そうですか。カーリング部に入りませんか。」
よその学校の生徒でも女子とみれば選手とする根性は見習いたい。
若干お前も二見美月だぞ。若林さん。
「ところでなんで入れ替わったんですか。」
「よくわからん、三好に聞け。」
まあ、かったるい学園祭なんてやりたくもないだろう。
「三好はかったるいものなんてやりたくないだろうしさぼれるならさぼりたいんだろう。」
「そうだね。」
ひばりさんは回答する。
「向こうの学校はどうなの。」
「受験少年院。」
どこの高校も同じようなものである。
まあ、うちみたいに香恋ちゃんがくそ教師を排除して、自分たちのリズムでやりたいような高校生活をやらせてくれるのだけありがたいのだろう。
「ところで向こうの学校祭は。」
「さぼった。」
「出席とかは。」
「朝しかとらないから地下鉄のトイレで着替えてきた。」
知らんぞ。おい。
とりあえず二見美月を除去すれば何とかなるし、逆にひばりさんが普段うちの高校に来れないこともあることから、雑用だけではなく、最低の学校祭でも案内することとした。
猛獣は遅れてきた香恋ちゃんに連れられてどっかへ行った。
図書委員のほうを放置しているので三好を海から呼び戻し、戻ってくるのか知らないが、戻ってこなければ昼には入ると伝える。
また、早良さんに事情を説明し、ずらせないかを考えることにした。。
ともかくまずは、早良さんに話をしに行かなければならない。
図書委員の古本市に行くと、ほかの図書委員がいた。
ともかく、1日中早良さんやほかの図書委員に店番を任せてはいられないため、三好が戻ってくるはずの午後の遅い時間には店番をすることで了承をもらう。
なんだか都合がいいシナリオだな。
まあいいや。
早良さんは三好が来たと思っていたが、三好の妹だと知ると驚いていた。
男女が違う双子でそっくりな事例なんてあまりないと思う。
まあそもそも男装する女子がいるのかどうか疑わしいし、男装していたって女子ですかなんて聞けるはずがない。
ひばりさんを案内しようと思ったが、若林のほうがワンオペになっていた。
若林のほうに戻ろう。
当然ながら人は繁盛しているわけがない。
それ以前に図書委員の古本市ほうが繁盛しているくらいだ。
三好はまだ戻ってこない。
よくわからないまま、一日がたった。
フロアカーリング場は一日中ガラガラでどうしようもなかった。
後夜祭、知るか馬鹿。
早良さんかわいいよできないし、ろくでもなかった。
フロアカーリング場をさっさとかたづけ、古本市のほうに行くと早良さんが一人で片づけていた。
早良さんは、今年も静かな学園祭で満足そうだった。
最後に誘ってもいいのだが、そんな仲じゃない。
ともかく、この後は夏休みだ。
つまらない講習や、ろくでもない宿題ばかりに追いやられる日々だけなのだろう。
また会えるチャンスを心に秘めながら、さよならということとした。
これは早良さんかわいいよする回だったはずであり、さらにはエンディングに導くための話だったのに、なんだったんだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます