第2話 キャラクリエイト
ヘッドギアを装着し、電源プラグをコンセントに差し込む。PCに〈アースガルド・オンライン〉をインストールして、インターネット環境を整えたら、いざゲームへ。
◇
「ようこそ、〈アースガルド・オンライン〉へ!」
目を開ければそこは真っ白な空間だった。光源も無いのに明るさが保たれている為、ゲーム内だという事がわかった。
目の前には青いすべ肌のゼリー、スライムがいた。
「こ、こんにちは」
「こんにちは〜!僕はキャラクリエイト担当管理AI15号のスラミー!」
喋らないと思っていたが、スライムって喋るんだね。
「じゃあキャラクターネームから。何にする?」
「うーん、ヴェン=クルシフォンで」
「おっけー」
ヴェンはよく使っていた名前で、クルシフォンはよく読んでいた小説の主人公の名字から取った。
「次は種族!好きなのを選んでね!」
種族は豊富だった。エルフやドワーフ、獣人に鬼人など様々な種類があった。
「獣人にしようかな」
「獣人ねー。じゃあ所属国家は獣帝国になるけど大丈夫?」
国もいくつかあるのか。凄いな。
「ああ」
「これでキャラクリエイトは終わりだよ。よく尋ねてくる人が居るから伝えておくけど、このゲームの目標は無いからね」
「え?」
目標が無いゲーム?
「このゲームは自由なんだよ。英雄にも魔王にもなれるし、奴隷になったってオッケーなんだよ」
「成程な」
「それともう一つ注意。NPCは一度死んだら帰ってこない。それだけは覚えておいてね」
スラミーは心配する様な声色でそう言った。悲しそうにも見える。
「じゃあ、頑張ってね!」
その瞬間、俺は意識を手放す。
◇
◼︎〈アースガルド・オンライン〉スラミー
「あの顔なら、大丈夫かも」
あの人なら救ってくれるはず。きっと、平穏な日々が帰ってくるはず、そう信じた。
「どうしたんだ?スラミー」
「ああ、さっきの子なら、救う事が出来そうって思ったんだよ。この世界を、きっと」
「そうか。だが、悪い知らせ、いや、良い知らせかもな」
「どうしたんだい?グルド」
「彼に反応する
ーーーフェンリルだ。
「そう。じゃあ、この先は彼に任せよう」
その言葉と同時に、ピエロの面をつけた男、〈アースガルド・オンライン〉
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