短編詩#14
『洗濯』
一日が汚れて真っ黒になる事を
人は夜と呼ぶのです
僕らの多くが眠る時
知らない外では
洗剤を掻き混ぜられて
泡だった白い朝を迎える
夜は綺麗だと
あなたは言いましたが
あれは悲しみや怒りの色ですよ
僕は洗濯機を回す
屋上に向い
そこで沢山の白い服が
手を繋いで靡いていた
『あなたがそうするならば』
嵐が迫りそう
高原の草は
風の方向に従う
根が無ければ
あなた達は逃げてるのでしょうか
電球の熱を
人肌と教えられた子供に
僕の全ては違和感だろう
数学者は図書館にいて
紙を置いていく
「最初は0もありません
0が生まれる前に救えば
その子は変れたかも知れません
あなたの言う最初からは
その子にとっても
あなたにとっても
何回目の決断ですか
積み重ねた足算に
ただ0を足しただけですよ」
僕は唯一の引き算を試みようとしたけど
それはイコールだったんだよ
密輸された春に
濡れてる踏切
海岸の死んだ夏に
遠のいてく氷の音
五感が無い秋に
色付いた街をみた
芯から染まる冬に
昇るものもあります
あなたがそうするならば
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます