短編詩#14

『洗濯』

一日が汚れて真っ黒になる事を

人は夜と呼ぶのです

僕らの多くが眠る時

知らない外では

洗剤を掻き混ぜられて

泡だった白い朝を迎える

夜は綺麗だと

あなたは言いましたが

あれは悲しみや怒りの色ですよ

僕は洗濯機を回す

屋上に向い

そこで沢山の白い服が

手を繋いで靡いていた




『あなたがそうするならば』

嵐が迫りそう

高原の草は

風の方向に従う

根が無ければ

あなた達は逃げてるのでしょうか


電球の熱を

人肌と教えられた子供に

僕の全ては違和感だろう

数学者は図書館にいて

紙を置いていく

「最初は0もありません

0が生まれる前に救えば

その子は変れたかも知れません

あなたの言う最初からは

その子にとっても

あなたにとっても

何回目の決断ですか

積み重ねた足算に

ただ0を足しただけですよ」

僕は唯一の引き算を試みようとしたけど

それはイコールだったんだよ


密輸された春に

濡れてる踏切

海岸の死んだ夏に

遠のいてく氷の音

五感が無い秋に

色付いた街をみた

芯から染まる冬に

昇るものもあります


あなたがそうするならば

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