TAKE OFF

花は首から取れて

空へと回りながら舞い上がる

その先の行方など

定められていないのです

蛇口の水が逃げたがる様な

理由などは無いのです


割れた雲の隙間からの光

それは雲を焦がすでしょう

だからこうして人は

翔びたがるのでしょう

紙に書いた字の様に

そこには理由があるのです


私達は虫なのかも知れません

その深呼吸は境目を潜ってる

背中を子供が開いたそこには

未熟な羽根が埋まってる

水が奪われるまでそれは生えず

遠くても側に入れる時に

そこは羽根が生えるのでしょう

ただ今はこうして

広過ぎる物に憧れてるのです


私達は土を掘る

冷めた底に住み始める

広がる砂を見て

人々は土を掘る

更にそこへ亀の甲羅を被せ

内側にはペンキの空を描く

広がる砂の中心部

花の都が出来たとしても

私達はそれを見る事なく

変わらぬ空を離れたがる

外側の更に遠い

導かれる海へ

魚は彷徨う様に泳ぐ

果てない海へ

私達は同時に高さを競う


今はまだ遠く

煙草の煙は

風もない部屋を登る

テレビでは議論が飛び交う

鳥はそれを聞いて思う

「下らない」と


夜は牛が光線に導かれたそうだ

それを私達は恐れた

それも一種のTAKE OFFなのに

風になりたいと誰かが言った

風は流れるだけ

翔んでるのではないのです

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