我慢するのやめたんだ

誰か墓穴でも掘って

私は底に墜ちるのを見守る

土に戻るんだと

嘆きの言葉をスコップで土産

平らにされた静かな風景の

一つとなって終えば良いのに

昼食に私達は他愛も無い会話

墓穴掘って死んだ人の会話を


どいつもこいつも節穴だったよ

私は眼鏡を掛けて気付いたよ

目玉の所に穴が開いていた

底からは狭められた風景さ

更には気付いてしまったよ

声を聞く為の耳だって

嗅ぎ分ける為の鼻だって

語りかける為の口だって

私を見えては居ない

私の声も擦り抜ける

私の気持ちも無臭で

私の答えには無言さ


私は赤旗なんだよ

誰が私の羊を数える前に殺すの

屠殺所に連れて行かないで

死骸すら数えさせないの

狼少年は言い聞かせたよ

お前には見えて居ないのか

いつから全滅したのだろう

噛み殺してくれないだろうか

私のとこだけ天動説

日がくるくると迎える


未来は要らないから冬を頂戴

暖かい毛布にくるまりたい

私の下したNOは

何時だってYESだった筈よ

嬉しい筈の固体は

溢れて類似品に欠陥さ

世界に共感求めたって

限り無く少ないよ

私は建築する

思考の街を

そしてそこに住み着きたい

内側の鍵は何処かへ歩いたよ

忙しいと人は付き合います

毎日隣りに寄り添います

そうやって私へ投げ掛ける

竜頭蛇尾のお知らせ

だから私は

我慢するのやめたんだ

この後死ぬ

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