呼吸のように

独立心の塊となった鳥が私の領域に入る

私の頭を突く様な言葉を吐き捨てて行く

いつも去り際にはこの台詞を吐いてく

「せっかく空の飛び方を教えてやろうと思ったのに」

私はそれを好ましくも思う時はあるが大概は不快だ

その鳥はダチョウなのだ


濁った頭の中を尾びれのついた言葉が泳いでる

私はアルコールで脳髄の消毒を図るけど

瞳の隙間から零れて来るものがあるから

申し訳ないけど幸せな言葉たちよ

私は煙草を吹かし栓を抜いてしまうのだった

気体になって霧散していく

こうする事により新しくあれました

灰には忌まわしい言葉の死骸がありました


呼吸の様に私は左手を走らせている

繋がらない映写機の風景を翻訳していく

そしてそれを眺めている

今日も良い映画が生まれたなと満足している

私は共有と慰めの為に呼吸の様に

左手を走らせる

一行くらい意味深な事を含めて

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