曇った瞳

見えるものなら

何もかもを見たい

一つも見落としなくない


僕の目は

いつも曇っている

全てにもやがかかって

判然としない


それが落ち着かないかといえば

僕はむしろ

落ち着いている


不安もなく

怯えもなく

全てがあやふやな世界の中は

居心地がいい


瞳が透き通っていれば

世界は美しく

綺麗に見えるのかもしれない


僕の世界は濁って

暗く沈んでいるけど

それの何が悪いのか


綺麗なものしかない世界より

汚れた世界の方が

どこか現実に近い


どこか

人間そのものに

近い


人間の心に

本質に近い

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る