私を殺さないでください

第53話 今・不安

連日、新型コロナのニュースが続いている。

今日のテレビで、どこかのお店の方が家賃が払えず先のことが心配でたまらないとコメントされていた。

私が30代で家を追い出された時、ちょうど大きな地震で家に帰れない方たちがテレビに映っていた。

天災にあったわけではないが、私も似たような感じに連日、ゴミの山の片付けをして、仮設住宅ではないが、同じように仮住まいで苦しんでいたので、失礼ながらそのニュースを見ながら、大変なのは私だけではないと励みにしていたこともあった。



でも、どうしてだろう。

今は、同じように家を失うかもしれないと不安になっている人たちをテレビで見ていても、励みにはならない。

こんな風にならないでほしい。

早く楽になってほしい。

何も悪いことなんて起こらないでほしい。

早く全部全部解決して、みんな楽になってほしい。

早く病気の心配がなくなって、みんな楽しく暮らしてほしい。

とうとう、近所の蕎麦屋も、自粛要請で店を閉めた。

今日は、前の家が最後の仕上げで、駐車場のアスファルトをしていたので、うるさくて外出し、午前中はふらふら散歩して時間を潰して、工事の昼休みの時間に戻って洗濯物を干そうと、その前に蕎麦屋で昼食を済ませようとしたら、とうとうしばらく休むと言う看板が立っていた。

その後、午後には駅のほうに行って、本屋に寄って、駅前のコーヒーショップに入ったら、こちらは明日からしばらく閉店するらしい。

あちらもこちらも閉まってしまう。

なるべく外に出ず家にいろと言われても、家でのんびりできない私はどうすればいい。

外出して治療に行かないと、眠ることができなくなってしまう私はどうしたらいい。

あの音は、この数日少し小さくなってきた。

もしかしたらやはり、どこかのヒーターの故障なのかもしれない。

音源の計測結果がまだ出ていないが、計測時、すでに音が小さくなりはじめていた。

今回の計測で音源がわかればいいが、もしこのまま音が小さくなると、原因がしばらく分からないかもしれない。

このまま小さくなって、無くなってくれれば嬉しいけれど、また秋になって寒くなってきたときに、再び大きくなってくるかもしれない心配が拭えない。

宙ぶらりんで不安なまま。

できれば、結果が出るといい。

できれば、解決できるといい。

いつもはすぐに結果を出してくださるNPOから、なかなか報告が来ない。

やはり、難しいのかな。

不安。

不安は本当にイヤなもの。

誰も、そんな思いはして欲しくない。