第15話「私はミーファ」

「て、テレポーテーション?!」


 思わず声を出してしまった。


【はい、要するに転移ということですね。】


(いや、それは分かるけど.....もうちょっと具体的に説明してもらってもいい?)


【まあ簡単に言えば特定の物体を他の空間に一瞬で動かすことが出来ます。まあ、行ったことのある場所にしか適応されませんが。もちろん自分自身や人間を転移させることも可能です。】


( やっぱりチートじゃん.....これじゃあステータスとか全然関係ないよね? あ、でも能力モノとかでありがちな時間停止とかされたらさすがに厳しいか.....)


 でも、制約とかは無いのだろうか.....


( 特にありません。ただ、失敗すると大変な事になるかもしれませんね.....少なくともしっかりイメージできるまでは使うのをひかえたほうがいいでしょう。)


(え、どうして?)


(例えばですね、体のパーツを一部分だけ残して転移させたらどうなるかわかりますよね?)


( 切断.....なるほど気をつけて使うことにしよう。)


「 さて、大体の事はわかったし、勇者様を迎えに行かなきゃね!」


( というか私、勇者より強いのでは??)


 細かいことを気にするのは良くないのでやめた。


 そうして、私はこの家を後にした。


 あ、向こうの方に勇者が見える.....そう言えば名前はなんていったかな.....


 私は、馬車の隣で、ちょうど持ち主と話をつけたばかり勇者の元に行った。


「 そう言えば勇者さん.....名前は.....」


「言ってなかったっけか。俺は木村.....いやハロルドだ。勇者ハロルド。」


(え、今木村って.....うんまあそういうことなのだろう。)


「 私は...ミーファ。ただの村娘よ。王都までよろしくね、勇者さん。」


(そう、私はミーファ。1度救われた命。この世界で精一杯生きてやる!)


「もう、大丈夫なのか?あんなことがあったあとで...まだ小さいんだから無理するなよ...」


「 それでも私は、生きるって決めたから。もう泣かない。それに私こう見えてもう15歳なんだからね!!」


 ミーファは子供扱いされてちょっと拗ねた。


(元気そうでよかった......俺がこの子を支えてやらねば.....)


 ミーファ達は様々な思いを胸に王都行きの馬車に乗り込むのであった。

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