一分で謎解き〜お母さん探偵60秒で謎を解く〜【お詫び 短編執筆のため更新を休止します】

七乃はふと

#1お母さん探偵誘拐事件

 僕は監禁されていた女性の目隠しを取る。


「あっコーくん。助けに来てくれたのね」


 無事な姿と声に胸を撫で下ろす。


「母さん……無事でよかったよ」


「ええ。お母さんは怪我ひとつしてないわ。心配させてちゃってごめんなさい。ここに来たってことは犯人は捕まったの?」


「いやまだなんだ。怪しい人物が二人いるんだけど……」


「お母さんにもその二人の事を教えてくれるかしら?」


 本当は駄目なのだが、母さんの推理で犯人を捕まえた事はこれまでに何度もある。


 僕は、お気に入りのミルクキャンディを幸せそうに舐める母さんに説明する事に決めた。


「一人はこの雑居ビルの管理人大谷オオヤ。もう一人は下水修理業者の千丈センジョウ。大谷はこのビルの管理室にいたらしくて。千丈はこのビルの下水管を修理していたらしい」


「らしいって事は確認が取れてないの?」


「二人とも一人だったからはっきり言ってアリバイはないんだ。でも僕達は大谷が怪しいと睨んでる」


「どうして大谷さんが犯人だと思うの」


「修理業者の千丈も一人だったけど、大谷の依頼を受けて修理をしていたんだ。だから大谷には誰にも見られずに犯行が行えたんだよ」


 母さんは僕の言葉に納得してないみたいだ。


「何か腑に落ちないって顔してるね」


 頰に指を当てた母さんはこんな提案をしてきた。


「そうね…コーくん良かったら容疑者の二人に合わせてくれない」


 僕は大谷と千丈がいるところに母さんを案内した。


 母さんはおもむろに二人に近づいて何をするかと思ったら、匂いを嗅ぐように鼻を動かす。


「ちょっと! 何してるの?」


 こちらを見た母さんの笑顔は、問題の答えが分かった生徒のようだった。


「まさか、犯人が分かったの?」


「ええ。犯人は千丈さんよ」




 問、母さんはどうして千丈が犯人だと分かったのでしょう。


 答

 え

 は

 こ

 の

 下

 に

 ↓









 答え、私を誘拐した犯人の姿は見えなかったけれども、微かに下水の臭いがしたのを覚えていたの。

 だから犯人は下水修理業者の千丈さんよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る