お見合い
昨日、お見合いをしました。といっても、そんな大げさなものでないけれど。
お相手は、貧困問題に取り組む団体に勤めている方。僕も何度か事務所に行き勉強会であったり、その団体のイベントのお手伝いなどで面識はある方だったけれど、挨拶を交わす程度でまともに話したことはなかった。なんでも同級生らしい。それすら最近言われるまで知らなかった。そして、党員でもある。
お世話になっている女性から突然「こういう話があるんだけど」といわれ、会うことになった。
女性のことばをそのままいえば、その方が勤める団体の代表の方のたってのおねがい、らしい。
うん。正直よく意味がわからなかった。だってその代表の方も、僕の過去のことはもちろん知ってるし。お会いする方も、全てはないにしろ僕の過去のことは知ってるはずだし。それでも良いといってくれているとのことで。
そして昨日、喫茶店でその方と女性と僕の3人で会いました。途中から女性が帰り、僕たち2人に。僕は、あらかじめ女性から途中で帰るからね、って伝えられていたけれど、最初は緊張もあるしで少し気まずい空気に。
お相手の方もそんなに話をする方ではないって聞いていたし、僕も正直異性との付き合いってか、人との付き合いが得意でないし……。
でも、僕は会う前から一応これだけは心に決めていました。スロット依存のこと、そしてそれが原因で逮捕されたことを自分の口からちゃんと言う。
いや、全然何も関係ない人と会うなら、僕も初対面からこんな話はしないけれど、お世話になっている女性と、団体の代表の方の紹介となれば、適当なことはできないし。何より僕自身も、それをちゃんと伝えた上で、それでも大丈夫なら友達からでも始めていきたいという気持ちが強かった。
で、まぁ、「はじめにいろいろ伝えないといけないことがあります」みたいな感じで切り出した。お相手もおそらく何を言おうとしたかわかったみたいで、「まぁ、それは追々でも」みたいに言ってくれたけれど、きちんと伝えました。緊張したし、普段人に話すこともないから、細かいことまではうまく言えなかったけど、事実は包み隠さず話せた。
やっぱりお相手もそういうとこで働いているから、「なんでお金全部使っちゃうんだろうって頭にくることがあります。でも、きっと、止められなくなっちゃう理由があるんですよね?」みたいな、普通の人なら聞いてドン引きするであろう内容に対しても、なんか冷静な反応が返ってきた。
だから、経験をもとに依存性の心理を一応説明したら、「あ、私もUFOキャッチャー悔しくて止められなくなります。同じですか?」って。
なんか、結論からいうと、その後は普通にたくさん話せた。むしろ、お相手の方が、過去のことも含めたくさんお話してくれたのが、僕としてはとても嬉しかった。
これは僕は初めて抱いた気持ちだけれど、お相手の方の話しているその姿がとても魅力的だった。別に話術があるとか、声や話し方が可愛いとかそういうことでなく。うまく表現できないけれど、正直さや誠実さや優しさみたいなのがその姿に表れていて。
もっと結論をいうと、そのお相手の方に惹かれている。もちろん、まだ昨日会っただけでわからないことも多いけれど。
会う前は過去のことでもなんでも話す、ってなんも考えず思っていたけど、特別な感情を少しでも抱くと、言うんじゃなかったぁ、って正直ちょっとだけ後悔もしたけど。でも、そこはどうしても避けては通れないから。
ラインを交換し、自分みたいな人間でももし良かったら、これからも連絡を取ったりできたら嬉しい旨改めてお伝えした。「こちらこそ、これからもよろしくお願いします」って一応返信があったので、少し安心した。
まぁ、本当に、恋愛なんてことは拘置所出てから前の彼女と別れてからは考えてもなかった。
書いてきたように、前の彼女には本当に僕はひどいことをしてしまっているし……。もう女性とお付き合いしたり、ましてや結婚なんて自分にはもう関係のないことだと思っていたけれど。
ただ、お相手の方に抱いたような感情はこれまでになかったようなものだった。また会って話したいって思っているし、何よりもっと知りたいって思ってる。
でも、こればかりは、相手があることだしね。あまり考えずに、これまで通りいきたい。
お世話になっている女性からは、どっちも奥手だから動かないとずっと前に進まないよ、言われるけど。きっとそうだろうけど、なんかもしお互いに気持ちが合えば、ある程度は自然と少しずつでも前に進んでいくんでないかとも思ったり。
何より、その女性も応援してくれていることは何より心強い。どんなことでも相談することができるし、僕の気持ちとかも伝えることができるから。
まぁ、本当に、どうなるかわからんけれど、今までにない心のワクワクのようなものは感じている次第です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます