025 卍解、俺はBLEACHが好き
亜房先生にも背中を押され、俺は、さくもが待ち構える場所にまで行く羽目になる。さくもは、下はタオルを巻いて隠しているが、上半身は卍解している。
直視することが出来ずに、俺はヒノキの椅子にポツンと座る。
「よっしゃ、頭から洗ってやるぜぇ!」
さくもは、シャワーを頭からぶっ掛けて来た。そして、置いてあるシャンプーを手に出し、俺の頭をわしゃわしゃする。手の動きに合わせ、背中に何かの先端が当たっている。これは、凄まじい。
「どうだぁ? 気持ちイイかぁ!?」
「あ、ああ……!」
さくものせいで巨乳に目覚めつつあった俺は、完全に今目覚めた。内なるドラゴンが、今にも火を吐きそうだった。
「おりゃあ! 流すぜ!? 目、閉じてろよ!」
また、頭から豪快にシャワーを浴びせられる。そして、わしゃわしゃシャンプーを流してくれるのだが、やはり背中に何かが当たる。
「さ、さくも……! ちょっと、当たりすぎだろ!? いくらなんでも当たり過ぎだって!?」
「お! マジか! すまん、おっぱいのコントロールが効いてなかった……。あたしのおっぱい、ペーパードライバーなんだよ」
さくもは、キュッとシャワーを止める。
「まあ、ラッキーじゃねぇか! 同級生の裸見れるなんて、中々無い体験だぞ?」
「そうだけど、やっぱりヤバイって……!」
罪の意識が完全に消えさえすれば、俺は幸せになれるのだろう。罪悪感を感じる今の俺には、童貞の冠こそがお似合いだ。
「じゃあ、体の方を綺麗にするね」
「本当にやるの?」
「当たり前じゃん、何を今更」
さくもは、今度はボディソープを手に出す。そしてそれを俺の背中ににゅるっと塗りたくった。
「あはんっ!」
全身がゾクゾクした。
「りんごぉ、何、変な声出してるんだよ!?」
背中を両手で洗われ、肩、肘、指先まで、慣れた手付きで触られる。指先まで終わったら、脇まで洗われた。
「次、前いくよ」
背後から、抱かれるような型で手を回される。やっぱりここでも背中に何か当たっているし、さくもの手が俺の乳首を泡まみれにする。
「あっはぁーん! ちょっと、マジで止めよう! これ、ダメなヤツだって……!」
俺は、さくもの手を優しく払った。これ以上続けられたら、昇天してしまう。今はまだ、その時ではない。
「何だよ、せっかく洗ってやってたのによぉ!」
さくもは、ガッカリしている。
「お前、指先の動かし方、何でそんなに上手いんだよ!?」
「上手かった? 最近、バイトで指先のトレーニング毎日やってるからかなぁ!? テクニシャン目指しているんだ! お客さんにもうまいってよく言われるわ」
何のバイトだよ……。犯罪の匂いがする。
「ねぇ、さくもちゃん……。ボク、のぼせちゃった……。動けないよ……」
「ええ!? 大変だぁ!? りんご、悪いけど、亜房先生連れて先に上がるから……!」
さくもは、やっと俺の背後から立ち上がり、温泉の中で瀕死になっている亜房先生を掬い上げる。亜房先生は、常に栄養失調らしく、貧血だとも聞いたことがある。ポッキーみたいに細いから当然だろう。
「さくもちゃん、ごめんね……」
「気にすんな、先生! 夕飯までに治ればいいな!」
上半身裸のさくもは、亜房先生をおんぶして去って行った。
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