021 いざ混浴へ、俺は既にのぼせた

 部屋に案内された。


「それでは、喘ぎ声が漏れないようにご堪能くださいませー」


 一通り説明を終えた遅瀬さんが去って行った。


 本当に、部屋に温泉が付いている。部屋から一旦外に出て、ちょっと歩いた所にポツンと存在した。竹で造られた仕切りの向こうにあるのは、長方形、ヒノキの露天風呂だ。俺の脳内で、密かに混浴の妄想がぐんぐん高まる。


「ふう、疲れた」


 さくもが畳に大の字に寝転んだ。


「アルコールが切れて来たわね。温泉の中で飲むとするわ」


 温泉の中で飲む酒は、確かに悪くはないだろう。しかし、ここまで来たならとにかく先ずは混浴が大前提だ。だが俺は、恥ずかしがり屋だから、自分の口からは当然言い出せない。


「19時に夕食をお願いしているから、今のうちに温泉に入ろうよ」


 亜房先生が言う。


「せっかく部屋に温泉が付いているんだ。それに男の子は、有江くん一人だよ? みんなで意地悪しないかい?」


 亜房先生、あなたは神か。俺の興奮度は既にマックスとなった。相変わらず、保健室の先生が言うセリフではないが、たまには俺も、欲望のままに生きてもいいかもしれない。


「えっ? り、りんごくんと一緒にお風呂……?」


 混浴したくなる呪いをかけた筈の充子が、何故か顔を赤らめている。これも演技なのか、それとも、いざとなって本当に恥じらいを感じているのか。俺のバカな頭では分からない。


「よし、入るか」


「え?」


 俺は、固まった。なんとさくもが起き上がり、いきなり上に着ていた服を全部脱いだ。上半身はブラジャーのみ。グラビアアイドルの様な肉付きをしている。おっぱいもやはり大きい。よく表紙の雑誌を飾っているような女優さんも顔負けだろう。


 生で見れば、案外巨乳も悪くないのかもしれない。ブラジャーからはみ出した部分の柔らかそうなお肉にグッと来る。


 その上、綺麗な肌だ。


 恥ずかしさを知らないさくもの大胆行動に、俺は既にのぼせそうになっていた。


「充子ちゃんも脱いで。恥ずかしがったらダメよ」


「え? え? いや、でもまだ覚悟が……私、やっぱり……キャー!!!!」


 さくもは、充子を押さえつけて服を脱がす。手足をジタバタさせるが、さくもの力に完全に負けている。スカートにインしていたシャツが、一気に捲り上げられた。


 俺は、口をポカンと開け、そして充子の体をガン見した。


 貧乳なのに、黒いレースの大人っぽいブラジャーを付けている。サイズに見栄を張っているのか、ブラジャーは僅かに浮いていた。なんとか中身を見ようと目を細めてみるが見えない。見る方向と角度が悪いようだ。


 流石に近くで見る訳にはいかないので、一先ずは諦めた。


 幼い頃、確かに充子と一緒にお風呂に入った記憶はあるが、その時と比べ、俺らは色んな意味で大人になっていた。


 貧乳の充子だって、胸は無いに等しいものの、確かに腰には若干のくびれがあり、お腹の柔らかそうなカーブが、まだ見えないスカートの中へと続いている。


「ああ……! もう、呪ってやるからね……!」


 完全にシャツを脱がされ、充子も、上半身はブラジャーのみとなった。

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