日本妖怪事変~交差するいくつもの世界~

我儘エリー

日本妖怪事変

~プロローグ~ (基本登場人物紹介)

 2025年京都府内二条城地下崩壊。重軽傷者軽三38人。

奇跡的に死亡者は出なかったが、日本中を揺るがす大事件として歴史に刻まれた。


原因は地下のプレートがずれたことによってできた空洞により、城が沈んだ……

ということになっている。

 表向きには。


しかし、実際にはたった一人の少年がきっかけとなった事件であった。



 二条城を含める日本中の城や寺、神社などの歴史的建造物の殆どは政府が管理しているのではなく、政府公認の団体である陰陽団が管理している。だが、一般には歴史的建造物専門管理局として公開されており、それが誰もが知っている常識になっている。


 2025年の事件はその二条城で起こったことにより、世間では専門管理局の管理不足によって、日本に何か異変が起こったのではないかとうわさされたが、異常気象対策本部が自然災害だと詳細を発表したことにより、混乱は収まった。


 しかし、このことは政府と陰陽団本部には大きな衝撃を与えることになった。日本のいくつかの城や寺、神社の地下には陰陽団が厳重に管理している扉や強力な妖怪、武器が封印されている。さらに現代の最高技術を搭載したフィルターに囲われ、その中と外から結界師の結界が張り巡らされている。


そもそも、一〇〇〇年以上前から今も続いている安倍晴明の結界が張られているため、現代にこの技術を破れる生き物など存在しないのだ。いるとしたら神や仏などだろう。しかし、ほとんどの神や仏は現世に関わることも、その理由も無いので考えられないが。


その結界が内側と外側から破られ、地下施設であるシェルターが崩壊した事でこの事件が発生したのだ。しかし、政府や陰陽団も莫迦バカでは無い。即座に判断を下し、情報の漏洩を防ぐため多くの専門家と協力することによって真実を隠し通した。だが、誰もこの事件のきっかけになった少年達が動き出していたという事に気づいていなかった――






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