スキルガチャに破産覚悟で5億つぎ込んだら最強になった件

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第1話 「ガチャ出現」


 「ん? 何だこれ」


 帰宅途中の俺――木村拓真は暗闇の中そう呟いた。


 俺のアパートの前の自販機の横に、薄く光った何かが置いてある。


 「スキル……ガチャ?」


 見た目は完全にそこら辺の店にあるおもちゃのガチャガチャだ。

 中にはカラフルなカプセルが入っているのが見える。

 朝には無かったし、誰かのイタズラだろうか。

 放っておいたら誰かが処分してくれるだろう。


 「よし、今日は疲れたし、さっさと風呂入って寝るかー」


 俺は階段を上がろうとした。


 「少し……気になるな」


 ガチャの方へ向き直る。


 『スキル』

 この言葉を見ると何か、こう、男の心がくすぐられる。

 誰しも一回はスキルだとか魔法だとかを使いたいと思うのが常だ。


 「試してみるか?」


 値段は……100円か。

 横には札を入れる部分があるが、多分使わないだろう。一回回すだけ。

 飲み物一本我慢すれば良い話だ。


 俺は100円玉をコイン投入口に入れ、レバーを回した。カシャンと音がして、黒いカプセルが落ちてくる。


 「……なんだコレ?」


 そのカプセルを開けると、そこには黒いモヤモヤが入っていた。綿菓子みたいな見た目だ。本当にあったとしたらまずそうだが。


 「これをどうしろって――ッ!!」


 俺がそのモヤモヤに触れた瞬間、モヤモヤは指の中に吸い込まれていった。それと同時に、微かな電流が身体中を駆け巡る。


 気がつくと、俺は仰向けに倒れていた。


 失神でもしたのだろうか、いや、まさかのさっきのは夢……?


 そう思い起き上がろうとした時、目の前に見慣れない物が現れた。



―――――――――――――――

 【ステータス】


 LV1


 職業    なし


 HP    50/50

 MP    20/20

 物防    0

 魔防    0

 物攻    0

 魔攻    0


 【スキル】


 ・なし


 【特殊スキル】


 ・ステータス確認 LV1


 【その他】


 ・なし


―――――――――――――――


 こ、これは……


 「キタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


 これぞ俺が夢にまで見た光景ッッッッ!!

 よし、そうと決まれば!!


 俺は財布の中の四千円を取り出した。

 そして、それを躊躇なくお札投入口に差し込み、ガチャを回す。

 様々な色のカプセルが出てくる。


 「40個か。これを全部開けて……触れる!!」


 また微かな電流が流れるが、触れていくうちに段々と慣れてきた。

 ……よし。ステータス確認するか。


 あれ、どうやるんだっけ。えーっと……


 「出てこいっ!!」


 お、出てきた。

 願いながら力をこめればいいのか。簡単だな。


―――――――――――――――

 【ステータス】


 LV5


 有利属性 水

 職業    なし


 HP    250/250

 MP    50/50

 物防    20

 魔防    30

 物攻    40

 魔攻    25


 【スキル】


 ・火玉 LV7

 ・水玉 LV4

 ・光玉 LV5

 ・光撃 LV1


 【特殊スキル】


 ・ステータス確認 LV1

 ・鑑定      LV1


 【その他】


 ・なし


―――――――――――――――


 40連引いてこれか?

 案外ショボいな。

 たったの100円だし、多分『ステータス上昇』とかが紛れ込んでいるのだろう。


 「よぉ〜し、明日はもっといいの引いてやるぞ……」

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