モブでいたかった~我等月輪中学生徒会!~

@tama0914

第1話 パラレルワールドの僕へ

前書き

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パラレルワールドの僕へ

お元気ですか。

そっちの僕は今何年生ですか?もしかしてとっくに大人?

僕は今中学一年生です。四年の卒業に向けて毎日学校に通っています。

学校が始まってもう二学期も終わりが近づいています。

体育祭、音楽祭も無事に終わり今年も目立つことなく平和に終われそうです。

そっちの僕がどんな性格か分からないけれど僕は目立ちたくない人です。

授業では手を一切上げない、朝早く来て図書室にギリギリまで籠る

先生に怒られないように成績も少しいいぐらいをキープ

そんなことをしているので僕の友人は一人もいません。

別に欲しいと思っているわけではないのですけどね。


最近、すごいことがありました。

僕の学校にも生徒会があるのですが、なんと一年生が役職に着きました。

生徒会長、三組の男子生徒がなりました。

彼の特徴は圧倒的なスピーチ力。

低音で落ち着いた感じでいながら、コミカルに話すことが出来、先生とかの話よりも確実に面白いのです。

雰囲気も中学生とは思えないぐらい大人びていてクラスでも一目置かれています。

副会長、一組の女子生徒がなりました。

彼女と生徒会長は入学してすぐに生徒会の書記に所属しました。

会長とはまた違い、彼女は縁の下の力持ちです。

書類管理や書類作成、イベントごとの準備や片付けなどをほとんど一手に引き受けており

先輩方に一切仕事を回さないことで先生の間で有名です。

多くの部活にも所属し、自分自身でも絵画、作文などで賞を獲得している。

いちばん最初の選挙の時に推薦署名の紙が裏側まで全て埋まっていたのは多くの生徒が知っている。

そして、会計。四組の女子生徒がなりました。

彼女は今回からの生徒会に参加ではありましたが多くの生徒が知っていました。

それは入学した時から学年トップを維持していました。

彼女はほとんど話すことはなく誰かと話しているところを見かけたことはないのです。

そのため多くの生徒が、彼女が生徒会に入ることに納得しました。

そんなわけで後期生徒会は存在感を放つ三人が就任したのです。

書記はもともと三年生が立候補していましたが一年生がメインを占めたことにより辞退され、書記は後日指名された人がやるという形になりました。

学校史上初の三人のみの生徒会が誕生したのです。


それでも何の問題もなく学校が回っているのは三人の実力なんでしょう。

中学校だから仕事が多くないと思うかもしれませんが僕の学校は結構忙しいです。

毎日校舎内を走り回る副会長を見かけます。

さすが陸上部です。


僕自身には特に変わったニュースはありません。

生徒会の人とは誰もクラスがかぶっていないので話すこともありませんし

毎日一人でひっそりと過ごすのが楽しみの一つです。

そんなわけで今日も帰りに図書室に寄っています。

この学校の図書室はとても充実しています。

噂によれば生徒会副会長の圧力があったとか。

一体彼女はナニモノなんでしょうか、本当に不思議です。


ありゃま、そんなことを考えていたらもうすっかり四時、そろそろ帰宅しようかと思います。

図書委員の前を通り過ぎ、下駄箱がある本校舎への渡り廊下を渡る。

図書室は別校舎の四階の奥に位置します。

けど、今日は何となくいつも通らない道をつかってみたい。

そんなわけで渡り廊下には行かず、図書室の反対側の方にある階段を使ってみることにします。

この階段の一階の部分に給食を取りに来る場所があります。

なので昼時になるとたまに使われていますが四階まで上がったことがないので少しドキドキです。

外からは部活動の声がします。

この学校都市部にあるせいでグラウンドが尋常じゃないほど狭いのにかかわらず、

陸上、サッカー、テニス、バレー、野球、バスケがやっているので密集もいい所です。

いつボールが飛んでくるかわかったもんじゃありません。

階段の向かい側から光が差し込んでいました。

教室とかと同じような灯。

あそこに一体何があるのでしょうか。

少し覗いてみましょう!

何だか実況してる気分で楽しいです。

ドアが開いていたので中に入ってみます。

何だか物置のような感じです。

多くの箱が積み重なっている奥に机と椅子が四つ、そして月の予定が書ける黒板がありました。

そこからはグラウンドの景色も見えて窓が開いているから風が入ってきます。


「一応閉めておくか」


奥に進み窓を閉めることに決めました。

よくよく周りを見ると体育祭で使うものや授業で使うものがありました。

机の横を通り窓の近くまでたどり着いたとき椅子の上で何かもぞもぞ動いていました。


「な、なに?」


椅子の上には白色に紺色の線が入っているセーラー服を着た少女が眠っていました。

え、どういうこと?

起こした方がいいのかな?

もうこの時間だから帰らないといけないだろうし。


「ねぇ、もう四時過ぎてるよ?帰った方がいいんじゃない?」


少女の肩を取り合えず叩いてみます。


「んん・・・」


か、かわいい。

もぞもぞ動きはしたもののなかなか起きようとしません。


「もう四時過ぎてるからかえろう?」


僕はもう一度肩を叩いてみます。


「んー・・・」


彼女は寝ぼけながらも起きてくれました。

ゆっくりと目を開け伸びをしたときに目があいました。

突然椅子から動きこっちに迫ってきます。

え、なになになになに???

後ろに後ずさるも壁でこれ以上動くことが出来ません。


「てめぇ、何者だ?」


自分よりも背が低い少女に壁ドンをされてしまいました。

全然ときめきません。

眼が全く笑ってないし、声が女性とは思えないぐらい低い。

恐怖しか感じません。


「真琴!どうしたの!?」


ドアからまた一人の少女が現れました。

壁ドン少女よりも背が高くお嬢様って感じがします。

あれ、僕の事たすけてくれますよね?


「奈緒、こいつは誰だ?しらない」


「あ、真琴君ね!その人は誰だろ?」


真琴・・・君?こいつ男なの?

確かに声は低いけど男性にしては高すぎるような。

それに目はおっきいし二重だし肌白い方だし髪は短いかもだけど。


「柊、まずは彼を放してやれ。」


「お、久しぶり。かいちょーさん」


ドアから入ってきたのはあの全校生徒に知られている男、生徒会長であった。


「悪いな、小林裕也君」


「え?」


何で僕の名前を把握しているんだ?

「大丈夫だよ、会長は全生徒の名前を把握してるだけだから。

こんにちは会計の櫟(いちい)奈緒です。」


そう言いながら彼女は少女のもとに歩いていきます。


「そして、こっちが生徒会副会長の柊真琴!君、運がいいのか悪いのか彼に会っちゃったんだね!」


「よろしく」


僕は寄り道なんてことをしたから恐ろしい人たちに会ってしまったみたいです。


「ようこそ、月輪中学生徒会へ」


パラレルワールドのぼくへ

僕のひっそり目立たない予定の学校生活はこの有名人のせいで

全部変わってしまいそうです。


これは個性豊かな生徒会のお話。






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