第176話【Guild Master】

「あの様子は普通じゃないからギルドマスターについて説明したい」


ソレイユが去った後に【オーギュストの龍】リーダーが提案した。

ロダンを含めた全員がその話を聞く事になった。


「先代のギルドマスター【ビャクヤ】は凄まじい女だった

神代の百万勇者の時代から六龍時代を超えて戦い続けていたが

今生の魔王に倒された」

「ブラックローズですね」

「何?」

「今の魔王の名前」


ロダンの言葉に一斉に目を向ける一同。


「何で知って居る?」

「昔天使さんに教えて貰ったの」

「・・・・・まぁ、 それはおいておこう

今のギルドマスター、 つまりソレイユはビャクヤの娘だ

ハイエルフという種族らしいが最早その種族は彼女しかいないから

長寿で物凄い力を持っている事しか分からない」

「確かに凄い力を持っていた・・・けれど・・・あれは子供の様だった・・・」

「神代の時代から生きていてその時代に何かトラウマが有るらしい

そのトラウマから引き籠りになって

数万年引き籠ってそれからギルドマスターになったらしい」

「そんな人がコミュニケーションがまともに取れるのか?」

「取れる訳無いよ、 もう彼女は狂っていると言っていい

彼女は殆ど、 というか完全にお飾り、 彼女がこうして表に出て来る事自体が稀

ギルドの最高権力者は副ギルドマスターだよ」

「だがこうして彼女は表に出て来たじゃないか、 なんでだ?」

「わかんないよ」


モルガナの疑問を分からないと一蹴する【オーギュストの龍】リーダー。


「ただ、 彼女の身体能力は高い、 身体能力を高める古代の魔法も使うみたいだ」

「何とか止められないんですか?」

「僕なら楽勝だよ」


自信満々の【オーギュストの龍】リーダー。


「むっ?」

「!?」


ロダンと【オーギュストの龍】リーダーが振り向く。


「如何やらギルドマスターが抜け出た様だね」

「直ぐに向かわなきゃ!!」


ロダンが走り出した。


「んじゃ、 僕も行こうか」

「小生達も向かおう」

「いや、 僕一人で充分、 シエン達はここの守りを頼むよ」


そう言うとロダンの後を追いかけて【オーギュストの龍】リーダーが飛び去った。


「一人で大丈夫なの?」

「心配無い、 伊達にオーギュスト最強は名乗っていないよ」


【オーギュストの龍】のメンバー達が安心感を持って答えた。

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