第163話【relay】

「坊主!! 受取れええええええええええ!!」


そう言ってロダンに完成したばかりの杖を投げるラック。


「させるか」


フェンリルの一体によって杖を横取りされる。


「そうはいかない!!」


ベルーズの鞭で杖を奪われる。


「そう来ると思っていた」


飛行アンデッド【ヤタガラス】に奪われた杖を更に奪われるベルーズ。


「させない!!」


花子がヤタガラスをナイフで撃ち落とす。

落した杖を別のヤタガラスが奪い取る、 そのヤタガラスを打ち落とすカリエとバンド。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


バンテージが走って落下する杖をキャッチしてロダンに思い切り投げる。


「いったああああああ!!」


ロダンに激突するも何とか杖を手にする事に成功した。


「・・・・・だから如何した!! 回復役に杖を持たせても回復魔法が強くなるだけだ!!」


王が咆哮を放つ。


「ふふん、 儂の作った杖をその程度の考え方とは聊か甘く見過ぎだな

デカい犬」

「何だと!?」

「儂の作った魔法の杖は出力が上がるのは当然として消費する魔力も減らせる

つまりはお前達を殺すまで魔力切れは無い、 そう考えて貰って良いだろう

更に精神も安定する効果も有る」

「・・・・・そうですね、 何だか凄い力を感じますよ」


杖を持って呟くロダン。


「この杖ならばこうする事も出来る、 マルチヒール、 そしてDeadEnd」

「は?」


周囲のフェンリル達が一斉に浄化され消え失せる。

ヤタガラスも消えて行った。

王の皮膚も浄化されかかっている。


「ま、 まさか・・・マルチヒールに浄化の魔法を組み合わせて

問答無用に周囲のアンデッドを消しているのか!?」

「マルチヒールとDeadEndを合成して同時に使ってマルチヒールにDeadEndの効果を持たせる

アンデッドもこれで消せるね」

「・・・・・うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


王は牙を剥いてロダンに襲い掛かった。

ロダンの治癒魔法の届く範囲はかなり広い、 逃げ切れないと判断して襲い掛かったのだ。


「DeadEnd!!」


剣を振いDeadEndを使い王を浄化するロダン。


「ああああああああああああああああああああああああああ!!!

消える!! 俺が消えるうううううううううううううううううう!!

嫌だ!! 嫌だ!! 嫌だアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


絶叫する王、 そして後には何も残らなかった。

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