第139話【2nd round 2nd match】

「トラブルは有りましたが気を取り直して二回戦第2試合バンメン選手VSベアード選手!!」


わああああああああああ、 と観客が沸く。


「勇者・・・か」


リングに上がったベアードは含みを込めた言葉で呟いた。


「ソロになる前に勇者と何か有ったのか?」


バンメンが尋ねる。


「いや、 勇者って具体的に何なんだ?

勇気が有る者って勇気がない奴なんてこの世に居るのか?」

「俺は学が無いから良く分からん、 何でだろ」

「そうか、 俺も学が無い」

「そうか、 気が合いそうだな、 ウチに来ないか?」

「いや、 ソロが合っている」

「そうか・・・小細工は無理そうだから此方も本気で行こう」


空中に薬瓶や弾を複数放り投げるバンメン。


「くっ、 一気に勝負を決める!!」


ベアードが大剣をバンメンに叩き込む。

しかしバンメンには回避される、 弾が炸裂し薬瓶が破裂し薬剤が飛び散る。

バンメンとベアードに薬剤がかかる。


「くっ・・・これは・・・」


ベアードがふらつく。

もしかしなくとも毒である。


「い、 いやお前にもかかっている・・・」

「自分の使う毒に体制は持っているに決まっているだろう」

「そうか・・・」


大剣を横に薙ぎ払うベアード。

今度の攻撃は悠々と回避する。


「小細工は無理とか言って・・・小細工じゃねぇか・・・」

「馬鹿を言うな、 この薬、 一本ウン十万Gもするんだぞ

それ位の金出す位本気って事だ、 命か大金かかっている時にしか使わない」

「そうか・・・」


ベアードは懐から薬瓶を取り出して飲んだ。


「解毒剤か・・・だかこの薬は高い薬だ、 完全には解毒出来ないだろう」

「だがこれで充分だ!!」


ベアードがバンメンに突撃する。


「ふん」


バンメンはベアードに次々と爆薬を投げつける。

ベアードはダメージを受けるも前に突き進む。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


ベアードは大剣をバンメンに振り下ろす。

しかしバンメンは距離を詰めてベアードに近付くとアッパーカットを叩き込んで

彼の顎を完全に破壊した。


「ぐお・・・」

「勝負ありだなっ」


トドメに膝をついたベアードの頭にサッカーボールキックを叩き込み

ベアードは地面に倒れ伏した。


「勝者、 バンメン選手!!」


わあああああああああああああああ、 と再び歓声が鳴り響いたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る