第78話【Over capacity】

カリエとベルーズの元に戻って来たロダン達。

カリエとベルーズは馬の番をしていた。


「その女性は?」

「モルガナと言う父親を殴った貴族の人です」

「助けたのですか?」

「怪我をしてたし」

「それで? 一緒に連れて行くと?」

「うん」

「駄目です」


カリエがきっぱりと断る。


「何でぇ?」


ロダンが悲しそうにする。


「まず始めにライバルが増える、 もとい5は縁起が悪い」

「俺も居るぜ?」

「デッドが戻ったから6人だよ」


頭を抱えるカリエ。

眼に見えない友人を否定するのはロダンを傷つけるかもしれない。


「あー・・・女性が増えるのはちょっと感心出来ない」

「君だって女性なのに女性差別?」

「まぁ聞きなさい、 こうなると君がハーレム作っている様に見える」

「ハーレム?」

「そそそそそそそそそそそそそそんなふしだらな!!」


モルガナが動揺する。


「い、 いや待て冷静になれ・・・私はロダンにあられもない姿を見られ

治癒を施された・・・つまり・・・夫婦!!」

「いや、 そうはならんだろ」


モルガナの打っ飛んだ発言を訂正するロダン。


「白くて濃厚な治癒魔法を体に流し込まれたんだ・・・

責任を取って下さい」

「白くも無いし濃厚でも無いよ、 急に何を言っているんだ」

「だって家族以外に見られた事の無い霰もない姿を見せたんだぞ!?

責任くらい取れ!!」

「確かにそうね」


カリエも同調する。


「お嬢様?」

「でもねモルガナさん」

「呼び捨てで良い」

「モルガナ、 私の方が先に彼に治された」

「何ですって・・・じゃあ私達は・・・」

「そうね」「治癒姉妹!!」「そうではないかな、 私が一号、 貴女が二号」

「あの、 すみません、 治癒魔法を卑猥な物として扱うのは止めませんか?

その論理だと私が一号と言う事になるので」


花子がツッコミを入れる。


「・・・・・」


冷静になるカリエ。


「ま、 まぁ兎も角、 そもそも馬は二頭、 そして馬は二人乗り

つまりもう定員オーバー、 故に無理なんです」

「ならば私は走って追いかけよう」


モルガナが事も無げに言う。


「気でも触れているんですか?」

「お褒めに預かり光栄だ」

「褒めてません」

「うーん・・・女性だし詰めれば3人位乗れそうじゃないですか

やってみましょうよ」

「・・・まぁロダンがそこまで言うのなら・・・」

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