第23話【Guild】

「おい、 ちょっとこれは教えるか? ヒント出し過ぎじゃね?」

「いや、 これは学ばないと駄目でしょ、 それに〆切り近いんでしょ?」

「そりゃそうだけどなぁ・・・もっと自主性が無いと不味いだろ」

「自主性を考え過ぎて時間切れも不味いでしょ」

「・・・・・っち、 しゃーねーなー・・・」


すごすごと戻るロダンと天使。


「じゃあ改めて今日教えるのはギルドについて」

「ギルド? 聞いた事が有る様な無い様な・・・」

「まぁとりあえず簡単に説明するとギルドは冒険者達が集まって相互に助け合う機関なのよ」

「ほへー助け合いかぁ」

「そう、 例えばギルドに仕事を依頼して冒険者達に斡旋したりとか

冒険者達を紹介してパーティを組むとか、 パーティのメンバーは大体4人が一般的ね

4人以上も有るけど5は縁起が悪いとされているから5人パーティは滅多に見ない」

「何で5が縁起が悪いの?」

「今の魔王が所属していたシキ家の序列が上から5番目だった事に由来する

魔王の誕生日が5月5日だったのも有るわね」

「ふぅん、 変なの」

「まぁ荒事だから縁起を担ぐって言うのも有るわよ

ギルドに所属すると行動の報告義務が発生したり、 制約も多いけど

仲間が出来るのはメリットが大きいと思うわ」

「仲間・・・か・・・」


何処か遠い目をするロダン。


「・・・ロダン?」

「・・・・・え、 あ、 あぁ、 ごめんなさい、 何だっけ?」

「ギルドにはさっき言ったようなパーティが幾つも参加している

またパーティが沢山集まってギルドを脱退してクランを結成する事も有るけど稀ね

クランを作ろうと言うのは何か目的が無いとまずやらない事だし」

「そうなんだ、 大人数の方が良いと思うけど」

「そうは言っても纏まらないからね

ギルドには鉄の掟として仲間を裏切ってはならないと言う取り決めが有るけど

クランだとギルドに比べて結束力が劣る」

「何で? クランでも仲間を裏切らないって決まりを作れば良いじゃない」

「ギルドでは仲間を裏切ると強制脱退させる決まりで

もしも勝手な事をするならギルド本部の直属部隊に〆られるからね

結局は力で叩き潰すって考えになるのかしら」

「怖いなぁ・・・」

「ギルドには色々と歴史が有るんだけど、 今回はこれ位にしておきましょうか」

「はーい」

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