第10話【Undead】

「次は魔王の手下について説明しよう」

「魔王の手下、 と言うと魔物だね」

「いや、 さっきも言ったけど魔王は元人間で

魔族も人間に呆れてこの世界から逃げ出したの

だからこの世界には魔物は居ない、 居るのは強い動物って事ね」

「動物ねぇ・・・」

「まぁそれでも熊とかは脅威だからね

魔王の手下って言うのは魔王が造り出した怪物なのよ」

「造り出した?」

「ここからはデッドが詳しいからデッドに説明を代わって貰うわね」

「ほい、 任された

じゃあ解説すると魔王の手下とは命の法則を乱した冒涜的な存在

アンデッドと言うべき不死の存在だ」


忌々しそうにデッドが吐く。


「不死の存在?」

「死んでいるから死なない、 そういう存在だ

死んでいるのに動いている、 命を弄んだそういう存在だ」

「如何すれば倒せるの?」

「聖なる武具や魔法でトドメを刺すか焼いてしまうかだな

死なないだけでダメージは受けるからバラバラにしてしまえば無効化出来る

しかしアンデッドも魔王に無理矢理使役されている存在だ

葬ってやるのが人情と言う物だろう」

「そうだね・・・可哀想だ・・・」

「ロダンはやっぱり優しいね」


ロダンの頭を撫でる天使。


「照れるなぁ・・・」

「しかしアンデッドの中には自分から望んでアンデッドになった

何て言う異常者が紛れ込んでいる」

「異常者なの?」

「あぁ、 はっきり言って正気の沙汰じゃない

目的が有るにせよアンデッドになって目的を達成すると言う発想は

あまりにも打っ飛び過ぎだろう、 アンデッドになってまで叶えたい夢って何?」


デッドが解説を続ける。


「そういう自分からアンデッドになった連中は強いぞ

特に強い四体のアンデッドは四天王と呼ばれている」

「四天王・・・」

「恐らく四つの国の対比とかそういうつもりなんだろうな

その程度の意味合いで四と言う数字は特に意味は無いだろう

現に四天王は何回か倒されて交代した事が有るらしい」

「そうなの・・・」

「何れにせよ強敵なんだろうがな」

「所で魔王もその・・・アンデッドって奴なの?」

「アイツはネクロマンサーって言う強大な魔法使いで色々な術式で

不老不死になった人間なんだよ、 不老不死だが不殺では無いから

殺せる筈だが圧倒的に強いんだよなぁ・・・早く死んでくれねぇかな魔王」

「屑の発言だねぇ・・・」

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