Re:incarnation

@asashinjam

Chapter1:Retreat

第1話【Good Morning】

「おはよう!!」


元気よくベッドから飛び起きる少年ロダン。


「おはよー」


ベッドから起きたロダンに挨拶をする天使。

その手にはベーコンエッグが乗せられた皿が有った。


「今日も遅いなロダンは」


デッドがへらへらと陰気な笑い方でロダンを見る。


「遅いな、 ってここは地下だから夜も昼も無いでしょ」

「現在時刻は午前11時57分、 普通の人間なら起きている時間だ」

「普通の人間はこんな所に居ないでしょ」


ロダン達はとても深いダンジョンの最下部で生活している。

ロダンは何でこんな所で生活をしているのか思い出せない。

天使に聞いても


「いやー、 なんでだろうねー」


とはぐらかし、 デッドに聞いても


「知りたい知りたい?」

「しりたーい」

「教えてあげなーい」


とウザい行動を取られる。

殴ろうとしたら避けられる。


「いただきまーす、 それで天使さん、 そろそろ外に出たいんだけど」


もぐもぐとベーコンエッグを食べるロダン。


「だめー」

「えーなんでー」

「だめったらだめー」


眼の前でバッテンを作る天使。


「ねーデッドはここから出れるの?」

「出れるぞ、 出る予定もその気も無いけど」


デッドがワインをラッパ飲みしながら答える。


「ぶーぶー」

「ぶーぶー言っても仕方ない

ここから外に出るにはこの天使を倒さなければならない」

「そういう事!!」

「うーん、 何か変な感じがするなぁ・・・」


頭を捻るロダン。

もぐもぐとベーコンエッグを食べる。


「美味しい?」

「うん、 美味しいよ」

「それは良かった」

「じゃあ外に出して」

「だーめ、 とりあえず御飯を食べたら今日のお勉強をするからね」

「はーい、 天使さんは食べないの?」

「天使はお腹が空かないし疲れないし眠らないの」

「ふーん、 そーなんだー、 こんなに美味しい御飯が作れるのにー」

「照れるなー」


ニコニコと笑う天使。


「何だか新婚夫婦みたいだな」


デッドが茶々を入れる。


「夫婦ってそれは」

「それは無い」


天使が断言する。


「子供の面倒を見ている感じだよ」

「子供居るの?」

「居ないよ?」

「じゃあ何で子供の面倒を見る気持ちが分かるの?」

「さぁ、 何でだろ?」

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