図書館

「さてと」

すだちはノート等をしまい

「勉強は終わりですか?すだちさん、コーヒーのお代わりは?」

「はい、終わりです、お代わりは大丈夫です」

「そうですか、わかりました」

「グレムさん、一つ聞きたいことがあるんですが?」

「なんでしょう?」

グレムはすだちに近づく

「この街に図書館ってありますか?ちょっと気になることがあって」

「ございますよ」

すだちは地図を出し

「どこですか?」

「えーと図書館は、こちらですね」

グレムは地図の一点を指差した

「ここですね、わかりました」

すだちはその一点をタッチすると矢印が現れた

「それじゃあ、お会計お願いします」

「はい、150Rになります」

「わかりました」

すだちはお会計を済ませると〈木漏れ日〉を後にした


「着いた、ここが図書館」

矢印が消えると目の前に大きな建物が建っていた

すだち達は図書館に入るとカウンターへと向かった

「すみません」

カウンターに居た犬の獣人の男性に話しかけた

「はい、なんでしょうか?」

「魔方陣について書いている本はどこにありますか?」

「かしこまりました、少々お待ちください」

分厚い本を取り出し、いきおいよく捲り始めた

「ありました」

捲るのを止めると光の玉が現れ

ゆっくりとどこかへと進んでいく

「こちらの玉に付いていってください」

「わかりました、ありがとうございます」


ある棚の前で光の玉が消え

「ここが魔方陣についての本がある本棚か」

本棚には厚さの違う本がズラーと並んでいた

「探そうかな」

すだちは背表紙に書かれている題名を見ながら、本を探し始めた

「〈魔方陣全集〉か、これにしようかな、よいしょっと」

(辞典くらいの厚さがあるから、結構重たいな)

すだちが重たそうに持っているとカボスが取り上げた

「持ってくれるの?カボス」

カボスは頷いた

「ありがとう、カボス」

すだち達は歩き出し

「ここに置いてくれる?カボス」

カボスは頷き、〈魔方陣全集〉を机の上に置いた

すだちは椅子に座り、〈魔方陣全集〉を開き

(それにしても、魔方陣っていっぱいあるんだね、本に載ってたのは錬金術に関するのだけだったけど)

すだちは目次を見ながら

(錬金術についてのページは、あった)

錬金術の魔方陣のページを開いた

(まずは、一通り見てみようかな)

すだちは次々とページをめくっていった

(これで終わりかな?じゃあ、本になかった魔方陣だけでも写そうかな)

すだちはノートを広げ、魔方陣を書き写し始めた


(書けた、これで使えるのかな?試してみよ)

すだちは書いた魔方陣の上に手をかざすとほんのりと光った

(良かった、使える)

すだちは〈魔方陣全集〉とノートを閉じ

(次はなんの本を読もうかな?)

すだちはノート等をしまい

「カボス、本を戻しに行くからお願い」

カボスは頷き、〈魔方陣全集〉を持ち、本棚へとすだち共に向かった

カボスが本を戻すと棚を見ながら歩き出した

(なにか面白い本はないかな?)

すだちが背表紙を見ていると一冊の黒い本が目についた

(題名が書かれてないけど、なんの本なんだろ?)

手に取り、表紙を見るが真っ黒でなにも書かれてなかった

不思議に思いながらも本を開くと眩い光を放つ

すだちは咄嗟に目を瞑った

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