隣国間の戦争を止めようとした者がいた。

天使の一族と勇者の一族だった。

二つの種族は各国に出向いては平和と平穏を説いていた。そして戦争になるのを食い止めようともがいていた。しかし、その声はほとんどが伝わることはなかった。

だが二つの一族は諦めていなかった。そして彼らは一つの答えを出した。

魔王の復活だった。

魔王は完全には死んでいなかった。勇者の一族によって封印されていた魔王をもう一度復活させれば、驚異となり、人々は再び一つになると、そう考えたのだ。

万が一を兼ねて、対策を練り、魔王を復活させた。

見事に復活させた魔王は国々をまたにかけて暴れた。

だが、隣国の戦争は一向に止まず、国によっては魔王の力を借りて戦争を有利にしようとする者たちもいた。

世界は一層の混沌を辿って行った。

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