209日目-⑩
魔王が勇者になって【七十日目】
※魔王本人により頭こと以下省略が代筆を行う。
聖龍と私は魔王の元へ向かって飛んでいた。
『良かった息がある…』
魔王の体をした勇者の安否を確認するとまだ息があった。しかしひどく憔悴していた。
『私の空間で預かります、頭は離れて下さい』と聖龍。
すると、勇者は聖龍の体の中に取り込まれた。
『私の持つ異空間に彼を移しました。ご安心ください』と聖龍。
私は頷いた。少し経って私は口を開いた。
『ねえ聖龍……なんでヴァンパイアは私たちに魔王の元へ行けって言ったのかな。あのヴァンパイアが魔王のことを心配する気が、あるにはあるけど。魔王が負けると思っているとは思えないんだ』
『そうですね、私も魔王様が負けるとは思いません』と聖龍。
『え?じゃどうして……?』
『魔王様ではなく別の人の身を心配されていたのではないかと』と聖龍。
『別の人物……敵アジトには魔王しか向かってないはず。じゃさっきの戦場から離れさせようとしたってこと?』
『その考えであってると思います。と言っても私を逃がすとは到底思いませんが』と聖龍。
『なら……魔王の姿をした勇者とか?でもなんで?』
『その答えでしっくりこないなら他の人物かと』聖龍。
『他って誰よ、あの場にいたのは。ヴァンパイアとサキュバスと聖龍と勇者………嘘でしょ?』
『……』
『――私なの?』
『頭。あなたはこの大戦を終わらせる鍵なのです』と聖龍は答えた。
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