176日目

勇者になって【四十日目】

『おはようございます、もう朝ですか』

『昼だよ、一蹴回ってむしろ尊敬できるほどの惰眠だな』

『あ、そうですか?照れます』

褒めてねえ。

『……そろそろ、話してくれないかー依頼人のこと』

『依頼主はこの街にはいません、ここから遠く離れた場所に隠れています』

『なら、そこに行こう。道分かるか?』

『無理なんです……』

『何だ道分からねえのか?』

『いえ、場所は『魔王軍支部』です。案内はできます。けど、その前に私たちを暗殺しようとするものによって――』

『それなら昨日倒した。安心しろこいつらもう暗殺する気ないってさ。それに縛ったし』

目の前の女が滅茶苦茶びっくりした顔で見て来た。

『ど、どうやって!?』

『拳で』

『……』

案内してくれるか?と聞いたら。首を二回縦に振ってくれた。

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