172日目

勇者になって【三十六日目】

困ったな。あの街への道も街の名前も何にも憶えてないな。どうやってあの街に行こうかな。

昨日は街の子供たちの玩具にされてしまって何もできなったな。

しかしあの街の手がかりがなければ何も出来ないしな。

『おい、聞いたか!?あの『サンの東』にオアシスが湧いたって話!!』

『なに?!そんな話初耳だぞ?『サンの東』ってあの貧困街にか?!』

『ああ!話によると、青年が水を手から湧き出したって噂が。今じゃ水を求めて人や物資が集まってるって話だぞ?』

『胡散臭い噂だな……だが久々の良い知らせだ。行ってみる価値はありそうだな』

そう言って男たちはキャラバンを動かした。

目の前で話すなよ、うるさいな……オアシス?青年が水を手から湧き出したって噂って。もしや。

『ラクダが足りなねえな……なんだこいつ持ち主がいねえ。ラッキーこいつも連れていくか』

男にラクダは連れてかれた。


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