64日目

とうとう勇者に見つかった。

『お前、魔王だろ。ハンパない魔力だもん』

『勇者』―彼から全くというほど敵意を感じなかった。勇者らしくない。なんだコイツ。

とはいえ、勇者の家に泊めてくれたので感謝のひとつでもしなければ恥だ。なので勇者の質問に答えられる範疇で聞かれた質問には応えた。

『なんだか、魔王らしくないなお前』

お前にだけは言われたくない。

·····先代魔王びっくりしてるだろうな。

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