第1章 異世界編

プロローグ

優月視点



僕が"蒼葉"に入ったあの日から、大体半年が過ぎた。今ではすっかり蒼葉に馴染んでいる。


そしてシリウスについても多くのことが分かってきた。もう奴のいる場所も判明して、後はそこへ行き、復讐を果たすのみだった。


そして今日は何もない日のため、前回の任務時に発見した山の中の景色が綺麗な森へ行く予定である。


今は足を魔力で強化して走っているところである。既に目的の山は見えていて、後少しといったところである。


数分後……


僕の目の前には幻想的な光景が広がっていた。木々の間からの木漏れ日が森の中を優しく照らし、朝露がその光によってキラキラと輝いている。


僕はその光景に見入った後、ゆっくりとその景色の中歩いていく。森には僕以外の人がいる気配は無く、鳥の鳴き声と僕の歩く音のみが森に響いていた。


暫く景色を楽しみながらゆっくりと歩いていると、小さな池がある、開けた場所に着いた。


そこもまた綺麗な場所だった。


池の水はそよ風に吹かれて水面に綺麗な波紋を生み出し、そこに日光が当たることで光を反射して、輝いていた。


周りの木々にも鳥たちが何匹も止まっており、鳴き声が合わさって一つの曲を奏でているようだった。


(結構歩いたし、ここで持ってきたお昼ご飯を食べてゆっくりとしよう。)


僕はそう考えて、お弁当(自作)を広げて食べる。中身はサンドイッチとフルーツであり、それらを食べていく。


すると鳥たちが弁当の周りに集まって物欲しそうに見つめてくる。僕はその瞳に負け?サンドイッチをちぎって鳥たちにあげる。


昼ご飯を食べ終わり、また、景色を楽しみながらゆっくりとしていると、段々眠くなってくる。僕はその眠気に身を任せるようにして、自然に囲まれた中、眠った。



目を覚ますと既に日は沈み、月が出ていた。


(寝すぎてしまった。 帰るかな。いや、もう少しここにいてもいいか。)


そう思い直し、僕は再び景色を見る。


そこは昼間とは全く違った景色であった。水面には月が映り、もう一つの空を生み出していた。辺りはもう鳥の鳴き声も無く、静寂が訪れていた。


(あぁ、本当に素晴らしい場所だなぁ。また任務が終わったらここに来よう。)


そんなことを思いながら、昼とは違った景色を眺める。



だが、その場に急激に魔力が集まるのを感じる。


今までに感じたことのない魔力に酔いそうになりながらもその場をすぐさま離れようとするが、一瞬遅かった。


僕の足元で見たことのない魔術陣が展開され、身動きが取れなくなる。魔力はその間にもさらに増え遂に魔術陣が発動する。


発動した瞬間、意識が朦朧とし、遂には途切れてしまった。


意識が途切れる中、僕はこれが、噂のかと、考えた。


*********



???


「遂に見つけた。彼ならこの世界をどうにかできるかもしれない。

でも、彼は既に過酷な生を送っている。これ以上、辛いことをさせたくはない。けどこの壊れた世界を変えるには彼の力がどうしても必要なのは明白。

だったら、私は最低でも彼のサポートを精一杯するしかない。

さぁ、彼を呼ぼう。私たちの世界に!」



そうして彼女は自分の力を削ってを起動させる。自らの世界を救うために…



*********


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