楽観的思考

 翌日。いつも通りの学校、授業、放課後。

  そして部活の時間がやって来た。


 昨日、勇希は響樹のマンションを出て真っ直ぐ家に帰ったのだが、家に到着した時間はいつもよりかなり遅いものとなっていた。


 彼女の母は、かなり心配していたようで大目玉を食らった。 さらに制服を破ってしまった事が母の怒りに拍車はくしゃを掛けた。 女子高生がそんな姿で帰って来たら流石にどんな親でも怒って当たり前だろう。


 母は一頻ひとしきり激怒した後、その制服の破れ方が尋常じんじょうではなかった為かなり心配していたが、勇希は適当な理由をつけて何とかなだめる事に成功した。


 勇希は、人に言っても信じてもらえないような事件に遭遇したのだが、響樹の家の場所が解った事と、彼と急接近できたようで彼女は何故か一晩中浮き足立った気持ちであった。しかし、いきなり現れた少女の事も気になる。


 ただ、あの口づけは忘れることにする。あれはあの少女が一方的に行った行為であり、響樹は憶えていないようであった。


 その他の出来事も、よく理解出来ないので彼女はあまり深く考えないことにした。


 彼女は典型的な楽観的思考であった。

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