60日目
「やっべ~~~‼ きめつ終わってんじゃん‼ 」
クラスの男子の叫び声に私は殺意の波動の目覚めを感じた。
「まっじで~~?? ど~なるん、たんじろー死ぬん?? 」
いかん、これは本当にいかんやつだ。
私はガタンと音を立てて立ち上がると、自然な動作で耳を塞ぎ、教室を後にする。
仕方ない。トイレにでも引き籠ろう。
その1帖程の広さを確保すると私はついついスマホで情報を覘いてしまう。
「ダメだ‼ 今日家に帰ったら読むんだ‼ 」
私は、その誘惑に打ち勝つべくこぶしを握った。へへ、病み上がりには厳しいミッションだぜ……。
「ガチャ」私は個室から出ると手洗い場に意気揚々と向かった。隣に談笑している女子生徒がいる。
「ねー、きめつの最終回、意外だったねー」
「あー、皆が死んだ後の未来の話だったやつ? 」
「……」
私は、手を洗い終えると震える手を押さえ付けながら女子トイレを脱出する。
そして、そのままスマホを取り出すとラインを起動した。
――
「きめつ、最終回、未来エンドだって」
――
弟
「え? なんでネタバレするん????? 」
――異世界転生まで
あと40日――
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