introduction12

 やあ、お前か。

 ・・お前、何を考えてる?

 とぼけるんじゃねえよ。その眼、今までのお前とは、まるで違う眼だ。

 その眼はまるで、ここに収容されてる奴等の眼だぜ。

 お前・・・、まさか”そっち側”に行っちまったんじゃねえだろうな?

 ・・・・・どうした、何で返事をしない。

 ふん、話がしたくないのなら、構わない。ほら、書類をくれてやる。サインしろ。

 この前みたいに、ナイフを隠し持ってねえだろうな?いいか、二度目はないからな。分かったら、ゲートをくぐれ。

 ・・・ふん、反省したみたいだな。おい、何を笑ってやがる。今なんで笑ったんだ。

 何でもない?・・・変な野郎だ。まあいい。ほら、さっさと行けよ。

 それで今日は・・・、つっても、これでもう12人目か。選択肢はないな。

 あ?・・・何度も言ったろうが。一番奥の突き当たりの扉の奴は最後の最後までお預けだ。

 いいじゃねえか、こいつの取材を終えたら、今度はとうとう13人目のサイコパスだ。ついにアイツの面を拝めるんだからな。

 ほら、ともかく今日はこいつを取材しろ。

 こいつは・・・、いや、やめておこう。もう俺が助言や忠告をしなくたっていいだろう。今のお前ならな。

 一言だけ、言っておこう。

 お前はまだ引き返せる次元にいる。お前がいくら染まったつもりでも、人間の根っこの根っこの部分ってのは中々染まり切らないもんさ。

 それでも、踏み込むのか?

 ・・・そうかい、分かったよ。

 ほら、行けよ。

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