introduction10
ん?ああ、お前か。
・・・どうした。今日は随分と大人しいじゃねえか。この間までの威勢はどうした。
あ?脅迫状が届いた?
・・そりゃお前、あんなもんを記事にしてるんだから当然だろうが。考えてもみろ。お前は人殺しの言葉を世間に発信してるんだぞ。
お前はあいつらに殺された被害者の遺族や関係者のことを考えたことがあるのか?
何が世間にサイコパスを紹介する、だよ。お前は人気の出そうな過激な題材を選んで、一山当てようとしただけだろうが。
その結果どうなった?
世間の注目は集められたんだろう。良かったじゃねえか。それが批判の声だろうと、罵声だろうと、脅迫状だろうと、お前は世間の注目を集められたんだからな。
なんだ、取材をやめるってのか?ここまで来て?
今更やめたところで、お前はもう烙印を押されたも同然だろうよ。不謹慎な記事ばかり書いた倫理観のないライター、って烙印をな。
どうせなら最後のヤツ、13人目まで書き上げて見せろよ。そのコラム。途中で投げ出すよりも、最後までやり抜いてこそじゃねえのか。
ほら、どうするんだ。取材するんならさっさと書類にサインしろよ。用が無いならとっとと回れ右して帰れ。根性なしにこのゲートをくぐる資格はねえからな。
・・・ふん、覚悟を決めたみたいだな。
それで、今日はどいつにするんだよ。
ああ、こいつか。そうだな、こいつは今までのヤツらよりも見た目がちとキツいが、それに惑わされなければいいんじゃねえか。
なんだそりゃってツラだな。要は見た目だけで判断するなって事だよ。中身を見ろって事だ。こいつの内面を深く覗き込んでみろ。
そうすりゃ、いい記事が書けるだろうよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます