【筆者挨拶】

 今回より、この実録コラムを連載することとなった。取り扱う内容が内容だけに、掲載に踏み切った編集部には感謝の念を申し上げる。

 その内容というのは、とある施設に収容されている患者、もとい犯罪者たちにインタビューを行うというものだ。諸事情により、その施設の名称は伏せなければならない。しかし、この情報化社会。掲載されている人物名を検索すれば、読者諸君はすぐに辿り着くだろう。

 もっとも、人物名を検索した時点で、施設名称などどうでもよくなってしまうだろう。そこに収容されているのは、並みの犯罪者ではない。世間を震撼させるほどの、凶悪な犯罪を犯した者たちである。

 彼らが罪を犯した当時はこの言葉は浸透していなかったが、今こそこう呼ぶにふさわしいだろう。

 彼らは、正に一級品のサイコパスである。

 施設に収容されているサイコパスたちは、全部で13人。ひとりひとりに取材を敢行するつもりだが、この連載が13回に及ぶか否かは、筆者の精神に懸かっている。

 なぜ初回にしてこのような弱音を吐くかというと、取材するにあたってサイコパスの経歴や事件概要等の資料に目を通しただけでも、常人には精神的拷問といえるほどに、彼らの所業は凄惨を極めているからである。

 もちろん、踏み越えてはならない領域については情報は伏せているが、先程も記した通り、少し気を入れて調べれば、それらは分かることであろう。

 どうか、読者諸君がそのような気を起こさないことを、ここに願う。モラルを問うと共に、この世界のあまりにも残酷な真実を目の当たりにしなければならないからだ。

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