魔法少女
ビスケットなんか割れちゃえ
えいっ
と言って
わたしはビスケットを割りました
アリさんは言いました
「ありがとうございますっ」
誰がお前たちに食べさせるって言ったんだよ
「これは、わたしの!」
わたしが食べやすいようにちいさくしたの!
両手を腰にあて踏ん反り返り言いました
ふわふわとしたスカートから覗く細い足
握り締めたステッキの先端にはきらきらとした特殊なクリスタルがはめ込まれています
わたしは言いました
「あんたたちなんか全滅しちゃえば?」
そしてアリの巣コロリをそっと地面に設置しました
アリさんはビスケットを無視し直ちにその容器の中へと突進して行きました
途轍も無く良い匂いがしたのです
そして(わたしはやりました)という顔つきで半透明のカプセルを運んで来ました
「待ってろ、今、帰るぞお!」
その表情はまだ幼いアリの子供を育てる父親のものでした
陽が落ち巣穴の中では陽気な宴が繰り広げられました
「やったじゃん、おれら!」
これで今年の冬も大丈夫
頭の悪い奴らは死の瞬間まで夢や希望を持てるから羨ましいですよね
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