第4話 精霊の嘘つき

翌日再び森に向かうと中央の泉に向かう

「ドリー、魔物は入り込んで来ないのかな?」

「はい、入れないです」

「人も入れないのかな?」

「え?・・・入れます」

「入れないように出来ないのかな?」

「そんな事をしたらジンの加護が半減します」

「半減か良いよ、人も入れないようにすれば安全でしょ」

微笑みながら言うと

「ジン変わっているけど・・・ありがとう」

ドリーは泉に触れて周りの霧が濃くなる

「これで人も中に入れません、入った人は彷徨い森の外に出て行きます、精霊が案内しないと泉には辿り着けません」

ドリーが微笑みながら言う

「霧の中に魔物はいるのかな?」

「まだいます」

「倒しちゃおうか?」

ドリーは笑い出して

「一度霧の外に出たら結界を解きます、魔物を狩り尽くしてください」

霧の外に出ると蜘蛛と遭遇すると剣で切り裂き黒い霧になって消える

「余裕だね」

「でも大量に向かってきているから気を付けてね」

「え?そんなに沢山いるの?」

ドリーに聞くと魔物の気配がしてくると蜘蛛とバッタが次々と近付いてくると襲ってくるが剣で次々と倒し始めると次第にムカデとキャタピーも混じり始めると足に痛みを感じるとタイガーが足に噛みついている

「え?タイガー・・・痛いな!!!」

首に剣を突き刺すと黒い霧になって消えていくとタイガー4匹に囲まれているのに気が付く

「タイガーに囲まれているね、頑張ってね」

ドリーが微笑むとタイガーが一斉に突撃してくると一匹に向かって剣を振り抜くとタイガーに当たり真っ二つに切り裂く

「え?余裕で当たった?」

「俊敏上がったからだね」

ドリーが微笑んでいると残り3匹も剣で両断して倒していく

「やっと終わった?」

「森に魔物の気配は有りませんから終わりです」

「結界の中で休もうかな?」

落ちている魔石を拾い集めてから結界の中で休憩をする事にする

「美味しい木の実でも食べる?」

ドリーがが笑顔で言うと近くの木に触れると木が急激に成長して木の実をつけて色付いていく

「食べれるの?」

「凄く美味しいよ」

ドリーそう言って木の実を取ってくると渡してくれる

「皮は剥いた方が良いのかな?」

「そうだよ」

皮を剥いて食べると桃似て甘くて果汁が口の中に広がる

「上手い!」

ドリーは嬉しそうに笑顔で浮遊している

「これならキャンプしながら、しばらく森で狩り続けるかな?」

「良いね、ジンの魔力が上がれば私も力を発揮できるよ」

「どんな力かな?」

「え?・・・結界を強く出来るよ」

ドリーは微笑みながら言う

「他は影響無いのかな?」

「・・・・無いよ」

(何か隠している?様子を見ようかな?)

休憩を終わらせて一度町に帰ることにする


冒険者ギルドに入りカウンターに向かう

「魔石の買い取りですか?」

「買取りよろしく」

ジンはそう言ってリュックから魔石を出していく

「又森の魔物を殲滅したのですか?」

「襲ってきたからね」

職員が数え終わると

「欠片が1250個で金貨6枚銀貨2枚銅貨50枚になります」

硬貨を受けとる

「森に霧が濃くなって危険だと連絡が有りましたけど大丈夫だったのですね」

「霧が濃くなったのは解っていたが何か問題でも?」

「かつて妖魔の森と言われて、森も町を飲み込んで一時期森を焼き払ったことがありました、又その再来が有るのではと恐れられています」

「なるほど・・・・そう言う事になるのか」

ドリーを見て言うとドリーは苦笑いしている

「外周の木を斬り倒した方が良いか検討になっています」

「教えてくれてありがとう」

冒険者ギルドを出て宿屋の部屋に戻る

「ドリー!何か言うことは?」

「え?・・・森が広がったのは私が森の支配権を持っているからです、元の森の姿に戻そうとしているだけよ」

「どこまで広がるのかな?」

「見渡す範囲」

「ダメだ!広げるのは禁止」

「え?嫌だ!!」

「じゃあ契約解消するよ」

「え?えーーーーーーーー!」

ドリーは涙目になる

「泣いてもダメ」

「精霊の加護は凄いだよ!いらないの?」

「森を広げる方が悪い」

「うぇーーーーーーーーん!ジンが虐める!!」

大きな声を出して泣き始める

「泣いてもダメだよ!」

「契約解除だけ許してお願い!!こんな魔力が豊富な宿主いなくなったら私終わりだよ」

「ん?宿主??」

「え?・・・・」

黙りこむ

「正直に全部話せ!!!」

「えーと、魔力をジンから供給して貰っているからジンと契約を解除されたら森の維持が出来なくなるの!!そうしたら又魔物に支配されちゃう」

「は?最初の契約の時と反対の事を言うね」

「え?それはジンが森の支配者だから森から魔力を供給されているよ、その供給された魔力を私が使っているの!!」

「プラスマイナスで考えたらどうなの?」

「今はまだプラスだよ」

「本当に?嘘だったら契約解除ね」

「え?・・・ごめんなさいマイナスです、ジンの魔力の回復が有るからプラスだよ」

「どうやったら魔力の供給を止められるのかな?」

「え?・・・・・・」

「言わないなら契約か」

「契約解除か魔力供給を調節すれば止まります・・・・だけどやらないでーーーーーお願いします」

「調整のやり方は?どうすれば良いのかな?」

「え・・・・・教えないとダメ?」

「嫌なら良いよ、契約解除するだけだから」

「だめーーーー泉で調節出来ます!!!やり方教えますから契約解除だけは辞めてください!!」

「嘘だったら即解除ね」

「あ!はい・・・・」

「他に言ってない事は無いのかな?」

「え?泉に私の本体がいます、腕輪は私の加護と引き換えに魔力を供給して貰っていますので、破壊されたら魔力供給が止まります、加護は分体からのサポートと回復です・・・・・・・・魔物に狙われるのは森の支配権を奪い返す為です」

ドリーは涙を流しながら必死に話し始める

「それで全部かな?」

「はい!全部です」

「明日泉に行って調整の仕方を教えて貰おうか?」

ドリーは涙目で頷いている

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