ハエ

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さて

僕はハエ。

お客様を

おもてなしします。

最初に

酔っぱらい。

お客様第１号です。

個室を用意してあげました。

１めーとる四方くらいの

少し狭いお部屋。

中央に

便座を用意してあげました。

良かったね。

狭い？

だめだめ。贅沢ですよ。

部屋の壁に

小窓があります。

そこからなんと

おにぎりとか

唐揚げとか

カレーライスが出てきます。

良かったね。

食べ放題です。

便座に座って

嬉しいお食事タイムです。

ほっかほかの

唐揚げ弁当。

サラダもあるよ。

熱いお茶

コーヒー

夜にはビール。

地上のご両親

すごい喜んでます。

あなたが

消えたから───

どんなにワルでも

両親は見放さない。

かわいい子供だから───

なんて

一般論は通じない。

ここに落ちちゃった皆さんは

親兄弟、恋人、家族

すべてに見放された

正真正銘のクズ。

でも

僕は見放さないよ。

僕はハエ。

何でもできる、ハエ。

みんなにご飯もあげるし

ちゃんと長生きしてほしいな。