8 子分

酔っぱらいと詐欺師


詐欺師が、スマホを取り出します。


────


仲間に、電話です。



僕はハエ。


何でもできる、ハエ。



詐欺師の子分


知ってます。


相当のワルです。


詐欺師と手を組み


何人もの人たちを


泣かせてきています。



僕は、子分になりすましました。


電波なんて通じないよ。



僕は、詐欺師に化けました。


そして、子分をお迎えに行きます。



ザブン───


ここは、僕のおうち。


僕の寝床。



詐欺師と子分


感動の再会です。



弱った酔っぱらいは


隅っこで寝ちゃいました。



詐欺師と子分


なんとか脱出する手段を考えます。


天井までは、3めーとるくらいあります。


簡単にはいきません。


肩車すれば


ぎりぎり手は届きます。


でも


落ちてきた穴は


深いお水の真上。


ヒルがいっぱいの、お水。



酔っぱらいが落ちて


2日経ちました。



3日経ちました。



1週間経ちました。


酔っぱらいも詐欺師も子分も


脱出できずに弱ってきました。


ペットボトルのお水だけは


毎日1本あげてます。


僕、優しいでしょ?



人間には


トイレってあるよね?



でも


彼らにはトイレはありません。



隅っこで、するしかありません。


紙なんてないけど。



僕のお友達のハエ


普通のハエ。


嬉しそう。


たくさん卵を産んでます。



時々水に落ちて


ヒルに血を吸われます。



まだまだ、面白いことしたいな。

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