第933話 【番外編】アマビエさん、北海道展へ

「いいね。うちの子も最近サーモンが好きだから、お土産に買って帰ろう」


 薬局長も楽しそうだ。北海道の食材を見たアマビエさんが猛獣と化さないかが不安だが、これはもう行くしかないだろう。


「何かあったら私が動くから、心配しなくていいわよ」


 クタベさんのその言葉だけが、僕のメンタルを支えてくれていた。




「うわあ、結構混んでますねー!」


 平日の七時前、僕たちは百貨店の喧噪に驚いていた。今日は割とスムーズに仕事が終わったのだが、北海道展は八時まで。人気のラーメンは行列で、そこに並んでいたら時間が足りなくなりそうだ。

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