第859話 アマビエさん、本気の逃亡
「構わないよ。ただ、ブザーが鳴るからあまりゆっくりは見られないけどね」
「冷蔵庫だと?」
当然のようにアマビエさんが現れたので、僕はゆっくりと扉の外へ押し戻す。
「何をする。アマビコがジムに通えとうるさいので、逃げてきたのに」
「またうちを避難所代わりに使って……」
「いいだろう。かくまってくれ」
絶対無駄だと思うのだが、理由を本人に言うのはやめておいた。迎えが来るまで油断させておこう。
「それよりも冷蔵庫とな? 美味い物が入っているのでは?」
【薬局あるある】開けっ放しを防ぐため、冷蔵庫は数秒放置するとアラームが鳴る。
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