第780話 【番外編】アマビエさんを笑えない事実

 いつのまにか、部屋の床は服で埋まっていた。足の踏み場もないとは、まさに今の状態のことだ。


「僕、洋服なんかこんなに持ってたっけ……?」


 僕はその量に唖然とした。特に多いのはTシャツで、色とりどりの布地が花のように床で咲いている。


「やはり無自覚でしたか」

「こうやって全量を見ないと、どれだけ持ってるか理解できないだろ? 荒療治だが、有効だったろうが」


 ヨゲンノトリさんの言う通りで、僕はうなだれる。


「しかしなんでこんなにTシャツばっかり……」

「一般的な傾向ですが、入手しやすいものというのはため込みやすくもあります」

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