第768話 アマビエさん、素早く狙う

 アマビエさんは泣く真似をしながら、僕の餃子を狙ってくるので油断がならない。僕は急いで平らげた。


「うおおおおおん」


 望む量が食べられなくて吠えるアマビエさんを、僕が店の外へ押し出す。その間に、社長が会計を済ませた。


「すみません、おごってもらって……」

「大丈夫だよ。君には癒やされたし」

「癒やし?」

「上司へのおべっかじゃなくて、純粋に心配してただろ? そういう部下って、いいなと思った」


 社長は苦い笑みを浮かべた。急成長のベンチャーでも色々あるらしい。



【薬局あるある】

 内情は入ってみないと分からない。いや、本当に。

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